●状況を設定する
この対話は、業績に関する話し合いやプロジェクトについての会議ではなく、従業員がどのような状態にあるかを確認し、どうすれば最善のサポートを提供できるかを理解するために行う、チェックインの時間であることを相手に伝えよう。たとえば、次のように伝えることができる。
「あなたが私たちのチームにいてくれて、本当に感謝していることを伝えたかったのです。新しい年度/四半期/その他を迎えるにあたり、あなたが職場でよい体験をしているかどうか、チェックインの時間を設けたいと考えました。特にアジェンダはありませんが、事前に以下の点について考えてもらえると、嬉しいです」(下記のリストから3~4問を選ぶ)
・仕事全般について、どのように感じているか。
・仕事のどの部分に最も喜びを感じているか。
・仕事のどのような面に最も喜びを感じないか。
・仕事と家庭の両立について、どのように感じているか。
・今年度/四半期の最大の課題は何か。あなたをより適切にサポートするうえで、私にできることはあるか。
・あなたやチームをサポートするために、私がこれまでと異なる方法でできることはあるか。
・私からのフィードバックが必要なことはあるか。
・この会社で学び、成長していると感じているか。そうでない場合、あなたの体験を向上させるために、私にできることはあるか。
●対話に向けて精神を集中する
相手の話を聞き、つながりを構築する能力は、会話に入る時の心理状態に大きな影響を受ける。あなたがプロジェクトの最終段階で時間に追われていたり、別の会議から慌てて移動してきたりした状態では、チームメンバーに寄り添い、共感することはできないだろう。
対話のスケジュールを組む時は、相手と会う前にバッファーを確保することだ。筆者がリーダーにアドバイスする際、これから対話をする相手とその理由を思い起こせるように、数分間かけて以下の問いについて考えることを勧めている。
・私がこれから話をする相手はどのような人物で、彼らが日々業務を遂行するために必要なことは何か。
・この人物が明日退職するとしたら、私とチームにどのような影響があるか。
●ミーティングを正しく始める
直接会って話をするにせよ、電話会議やビデオ会議で話すにせよ、気が散るものはすべて取り除く。通知をオフにし、PCや携帯電話を片付けて、メールやチャット機能もオフにする。意図的であろうとなかろうと、相手が自分の体験を話している最中に、あなたが目をそらしたり、他の何かに反応したりすれば、すぐさま話をやめてしまうだろう。
そのうえで、最初に対話の背景を説明する。あなたがその場にいるのは、相手の話を聞き、その体験を理解し、それを改善するためにできることがないかを確認するためであることを、改めて認識してもらうのだ。
まず、事前にメールで送った質問の中から一つを選び、それについて尋ねることから始める。一般的な質問から始めて会話の流れができてから、深く掘り下げていくことをお勧めする。