介入策が思うように機能しない場合、どうすべきか

 上記のようなコストを削減し、リモートとオフィスの境界を超えて、より強固なつながりで結び付いたチームをつくるための、新たなアドバイスが生まれている。たとえば、少人数グループに意思決定の権限を与える心理的安全性を醸成するといったものだ。このようなチームへの介入策がうまく機能しない場合は、チームという形態そのものの代替策を考えることが必要になる。

 選択肢の一つは、チームを解散させる、もしくは大幅に縮小することで、インディビジュアルコントリビューター(管理職ではなく、部下を持たない専門職)の比率を高めることだ。なかには仕事をタスクに分解し、さらなる細分化を求める人もいる。

 そこまで極端ではないものの、解決策として有効なのは、「真のチーム」を「共同作業グループ」として一段下げるやり方だ。

 筆者らが過去の論考でも述べているように、真のチームには、マインドセットの共有、強力な共同ミッション、明確な役割分担、安定したメンバー構成、高い相互依存性、明確な規範がある。これに対して共同作業グループとは、従業員の緩やかな連合体であり、プロジェクトやイニシアチブを進めていく中で、グループに参加することもあれば、途中で抜けたりすることもある。

 このシステムでは、依然として多くの調整作業が必要であり、場合によってはより多くの調整が必要になる可能性もある。しかし、そのプロセスはより合理化され、コントロールしやすい。

 たとえば、マネジャーは毎日もしくは毎週、チームミーティングを開くための調整作業に追われることなく、それぞれのグループメンバーと個別に連絡を取ることができる。1対1の交流は2人のスケジュールを調整すればよく、同期でも非同期でも実現に移すことが容易であり、ハイブリッドチームと比べて調整コストの削減につながる可能性がある。

 共同作業グループの場合、特に創造性、コラボレーション、仲間意識といった点では、最高の状態にあるハイブリッドチームと比べて、メリットが減少する可能性もある。これらのマイナス面は、下記に挙げる効果的な共同作業グループの原則に従うことで軽減でき、またプラス面を増やすことができると筆者らは考えている。

・共同作業グループでは、ブレインストーミング、意思決定、同僚との付き合いについて「ビッグバン」が生まれる瞬間を共有できるよう、プロジェクトをデザインする。そうすることで、グループメンバーの士気を高めると同時に、チームと同じように相乗効果を生み出すことができる。

・自己主導性、柔軟性、協調性などの資質を持つ人材を採用する。従業員は日常的に、個人作業の仕事と共同作業の仕事との間を行き来できなければならないということを明確化する。

・グループメンバー間の協力を強化し、競争を最小限に抑えるインセンティブと報酬体系を構築する。

・ダッシュボードをはじめとする透明性の高いモニタリングシステムを利用し、グループ全体がワークストリームと進捗状況を常に把握できる状態にする。

・オンボーディングと調整方法に関して標準的なプロトコルを作成し、グループへの参加と離脱に伴う従業員の混乱を最小にする。

・クロストレーニングプログラムを開発し、専門能力を開発する機会を増やすことで、従業員がより柔軟に貢献できるようにする。

・グループを「チーム」と呼ぶのをやめ、チームの場合に生まれる団結や帰属意識が同じレベルで得られることを期待しない。

 さらに、組織は、かつてチームという形態でもたらされていた利益を代替する方法について、模索し続ける必要がある。たとえば、従業員のためのソーシャルサポートの仕組み(例:従業員リソースグループ)、オープンなブレインストーミングの機会(例:ハッカソン)、魅力的な文化構築活動(例:会社のリトリート)をつくることができるだろう。

チームワークは死んだのか

 繰り返しになるが、筆者らはチームに否定的な立場ではない。最高の状態のチームは、今日でも投資する価値がある。しかしながら、チームを成功させることがいかに難しいか、筆者らは誰よりもよくわかっている。

 チームは、その潜在力を下回ることがあまりにも多い。あなたの組織でもそれが当てはまるならば、新しい働き方について、もっと真剣に考えるべき時だ。


"Do We Still Need Teams?," HBR.org, April 26, 2022.