男性が職場における性差別に声を上げる方法

 明確な事実として、多くの男性が女性を支援したいと考える一方で、自分の行動に慈悲的性差別が含まれると気づくための準備が不足している。

 そこで、男性(特にシニアリーダー)が性差別に声を上げる時、自分が思い込みをしていないかチェックして、より的確なアプローチを実施するための6つのポイントを紹介しよう。

 ●意識を高める

 慈悲的性差別についてより深く学ぼう。職場でどのような形で表れるか、いかなる影響をもたらすか、敵対的性差別といかに結び付くのか。慈悲的性差別の考え方は、あらゆるジェンダーの人たちに硬直的な期待を押し付けると自省すること。ジェンダーに応じてこのように振る舞うべき、あるいはこう生きるべきだという思い込みをしていないか、自分自身で振り返ろう。

 ●思考を深める

 慈悲的性差別の罠に陥ることなく、性差別的な発言に介入している自分の姿を想像しよう。自分の言葉の裏側にはどのような思い込みがあるか。自分の行動がどのような影響を与えるのか。女性はプロジェクトやタスクを担当できない、あるいは担当すべきでないと暗に示していないだろうか。

 ●知識を応用する

 誰かの慈悲的性差別を含む発言を耳にしたら、異を唱えよう。たとえば、同僚がある女性を複雑なプロジェクトから「救いたい」と発言したら、「彼女がこのプロジェクトに関わらなければ、どのような結果になるか。彼女は関わりたくないと思っていると決め付けずに、本人に直接聞いてみたらどうだろうか」と問いかけよう。

 ●慈悲的性差別に介入した人物を称える

 慈悲的性差別を含む行動に声を上げた同僚を称えよう。たとえば、「あなたの行動は、チームにポジティブな影響を与えた」と声を掛けるとよい。

 ●平等な振る舞いの模範となる

 女性従業員の態度や容姿ではなく、その人物の能力に意識を集中する。温厚さや好感度のように女性のステレオタイプと関連する特性ではなく、仕事の結果や客観的な目標に関連するフィードバックを与えるのだ。

 ●対話を始める

 チームミーティングで、さまざまな形の性差別と、その差別が職場でどのように表れる可能性があるかについて話し合おう。同僚が嫌でなければ、本人の経験談を話してもらうとよい。好奇心と謙虚さを持って会話に参加し、誰かを責めるのではなく学習の機会にする。

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 すでに多くの男性が性差別との戦いに参画しており、変革への機運が高まっている。職場における性差別への男性の反応から慈悲的性差別を取り除くために軌道修正を行うことは、変革を実現するうえで重要なステップになるだろう。

 

"Dismantling 'Benevolent' Sexism," HBR.org, June 08, 2022.