●学習を当たり前のことと位置づける

 リーダーであるあなたが、何か新しいことに挑戦している時、自分自身とチームメンバーに対してどのような言葉で語るか。その際には、どのようにセルフトークを行い、どのような言葉を用いるかが、極めて重要だ。ここでよく考えずに行動すると、学習が完璧に進まなくなったとたん、失敗と感じかねない。

 コロナ禍のロックダウン期間中、私たちの多くは新しい仕事のやり方を学ばなくてはならなかった。たとえば、ビジネススクールで教えている筆者の場合、大勢の学生が座っている教室ではなく、自宅のカメラの前で講義をすることになった。

 最初の数回は、対面でやり取りできないことがつらくてたまらなかった。口の中がすっかり乾き、手をどこに置けばよいかもわからなかった。カメラの前で話すことは不自然に感じられたし、自分が望むほど、画面の向こうにいるシニアリーダーに好ましい印象を与えられずにいた。

「お前は失敗しているぞ」と、脳が告げ始めた。しかし実際には、筆者はこの時、学習の過程にあったのだ。

 自信を持って弱さを見せられるようになるための第一歩は、「学習には練習が不可欠である」と再認識できる言葉を用いることだ。自分自身にも周囲の人たちにも、この点を言い聞かせなくてはならない。自分の弱さを感じている時には、次のように語りかけることが欠かせない。「脳は筋肉と同じように、訓練すれば強くなる」、そして「1回も転ぶことなく、歩き始める人間はいない」のだ。

 リーダー自身が手本となり、このような言葉を語ることで、学習と失敗は人間として当たり前のことだと示すことができる。