休息とリフレッシュにチームで取り組む

 燃え尽き症候群(バーンアウト)は多くの人に蔓延していたが、コロナ禍によってさらにその数は増加した。筆者らの最近の調査では、毎日休息を取っていると回答した人がわずか10%、週に1〜2回しか休息を取らないと回答した人が50%、まったく休息を取らないと回答した人が22%だった。

 各種のデバイスから離れることは特に難しく、毎日すべてのデバイスから離れる時間を持っていると回答した人は、たったの8%にすぎなかった。気力、体力の回復に専念するために何ができるか、一緒に考えよう。

 トニー・シュワルツは、会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)のチームと行ったプログラムについて、クリスティーンに説明した。2018年、このチームは、繁忙期にとりわけ困難なプロジェクトに取り組んでいた。その結果、疲れ切って、やる気を失ったチームメンバーの大半がその後、会社を去った。

 この状況を変えようと、EYの40人のチームは、ジ・エネジー・プロジェクトの力を借りて、2019年に「レジリエンス・ブートキャンプ」を企画した。その目的は、特に忙しい時期にこそ、体、感情、メンタルのエネルギーを管理するため、休息が必要だと教えることだった。

 フォローアップとして、EYの社員は、繁忙期の14週間、1時間のグループコーチングに隔週で参加し、そこでそれぞれの挫折や課題について話し合い、互いが新しい回復の習慣を取り入れられるようサポートし合った。参加者はチームメートとペアを組み、サポートと進捗報告を継続して行った。

 行動が大きく変わったことで、会計士たちは以前よりも短時間で仕事をこなせるようになり、多忙な期間でも、毎週末1日は休むことに同意した。「従業員たちは、このような変化に基づき、同じ量の仕事をこなしながら、労働時間を週に12〜20時間減らすことができました」とシュワルツはクリスティーンに語った。

 2019年の繁忙期が終わる頃、メンバーの心身の状態は、2018年の終わりよりも劇的に改善されていた。さらに、繁忙期の5カ月後、例年なら疲労やバーンアウトで退職者が多数出る時期に、このEYのチームの定着率は97.5%に達した。シュワルツは、今回の経験で得た最大の収穫は、「コミュニティの力」だとクリスティーンに語った。

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 コミュニティは、生きるためのツール、つまり困難をともに乗り越える手段になる。そして生きることから、豊かに生きることへと後押ししてくれる。さらには、筆者らの調査が示すように、従業員の定着率を大幅に高める。コミュニティ意識を醸成するために、何ができるか考えてみよう。

 

"Rekindling a Sense of Community at Work," HBR.org, August 26, 2022.