オンライン学習

 いまの時代は、学習プラットフォームが豊富にある。よく知られているリンクトイン・ラーニングのほかにも、数多くのオンラインリソースが、機能的なスキルやリーダーシップのスキルを次のレベルに引き上げるためのコースを提供している。

 コーセラ、エデックス(edX)、オープン・カルチャー、カーンアカデミーなど無料の学習コースもたくさんある。マサチューセッツ工科大学(MIT)、ハーバード大学、イェール大学、スタンフォード大学など、米国の一流大学でも無料講座を開設している。

 単発のオンライン講座をいくつか受講しても、4年制大学の学位とは比較にならないかもしれないが、継続的に学習してスキルを高めているという姿勢を示すことは、従業員として魅力的な資質になる。自分の仕事に関連する受講経験をアピールするには、履歴書の学歴欄に続けて「継続的な学習」あるいは「継続的な教育」といった項目を追加するとよいだろう。

インターンシップ、ジョブローテーション、ボランティア活動

 インターンシップのほとんどは、有給の場合であっても、学校に在籍している人という条件がある。たとえば、地元のコミュニティカレッジで、自分の専門分野や転職したい分野の重要な知識を学べる講義に登録することで、インターンシップの参加資格を得られる場合もあるだろう。

 すでにフルタイムの仕事をしているなら、ジョブローテーションの一環として、組織の中で別の分野に異動することを上司に認めてもらえるかもしれない。

 筆者の下で働いていた女性は、夜間のMBAコースに通っていた時、データサイエンスに新たな情熱を見出した。しかし、昼間の仕事で家族を養っていたため、クラスメートのようにインターンができないことに不満を抱いていた。筆者はできるかぎり多くの分析プロジェクトを彼女に依頼したが、本当の意味でデータサイエンスの経験を積んでいるとはいえなかった。

 そこで、彼女が社内のデータサイエンス部門でインターンシップを行う場合、筆者は彼女の仕事を6週間、カバーすると提案した。彼女はインターンシップのオファーを受け、その初日、私は彼女に次のように言った。「戻ってこないように。あの部署には空席が4つあります。そこに自分がふさわしいことを証明してください」。インターンの期間が終わるとすぐに、彼女はデータサイエンス部門の一員として、そのままフルタイムのポジションを得て働き始めた。

 このような調整は、すべての上司や会社で実現可能なわけではない。場合によっては、自分の時間を使って、トレーニングの機会を見つけなくてはならないだろう。

 たとえば、会計の仕事に就きたいなら、教育委員会や非営利団体の運営に参画する、子どもの学校で出納係のボランティアをする、小さな会社を設立して本業とは別にクライアントの仕事を引き受ける、といった方法がある。あるいは、小規模企業や家族の友人などを通じて仕事を手伝える機会を探し、アナリティクス、顧客獲得、ソーシャルメディア、マーケティングなどの分野で実践的なスキルを身につけることで、経験を積むこともできるだろう。

 報酬は新たなスキルや高度なスキル習得の指標にはならない。会社の目標達成により大きな貢献をすることが、スキル習得の指標なのである。