
仕事を続けながら、いかに学習の機会を得るか
最近のレイオフは、不透明な経済状況だけが原因ではない。従業員がビジネスニーズに合わせてスキルを向上させるより速く、仕事自体が変化している結果でもある。
デジタル化や自動化をはじめとするテクノロジーの急速な変化に伴い、2027年までに仕事全体の50%でスキルセットの変更が必要になると、世界経済フォーラムは予測している。
したがって、みずからスキルを高め、変化し続けるビジネスニーズに常に対応できるようにしておくことが、極めて重要になる。継続的にスキルを磨いていなければ、自分が思っているより早く時代に取り残されてしまうかもしれないのだ。
従来の大学や大学院で学位を取得しなくても、自分自身で学び、スキルアップを図る方法は数多くある。以下では、学校に戻らずにスキルアップするための5つの方法を紹介しよう。
認定資格
多くの職業には、仕事に必要な基本知識や、特定の分野におけるベストプラクティスを習得していることを証明する資格がある。
たとえば、プロジェクトマネジメント協会(PMI)が主催するプロジェクトマネージャー向けの講座および「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル」(PMP)の認定資格は、世界的に知られている。プロダクト・スクールもプロダクトマネジメント講座と認定資格を提供している。
米国人材マネジメント協会(SHRM)とHRサーティフィケーション・インスティテュート(HRCI)は、HR分野の講座と認定資格試験を提供している。ほかにも、ビジネスアナリティクス、ビジネスプロセス、インバウンドマーケティング、リーダーシップなどさまざまな認定資格がある。
認定資格はその分野の知識や能力があることを証明するもので、転職に際して新しい分野での実務経験があまりない場合は、特に重要になる。
たとえば、筆者が転職して、初めてHR関連の仕事に就いた時は、その分野でのキャリアに置き換えられるようなスキルをいくつか持っていたが、典型的なHR部門で働いたことはなかった。
そこで、HR分野に関する知識があり、専門レベルで理解していることを証明するために、HRCIの認定資格「シニア・プロフェッショナル・イン・ヒューマン・リソーシズ」(SPHR)と「グローバル・プロフェッショナル・イン・ヒューマン・リソーシズ」(GPRH)の勉強をして、資格試験に合格した。採用マネジャーやリクルーターからHR分野のスキルや能力がないと思われそうな場面でも、これらの資格があることで、筆者の能力の一部として証明され、採用につながった。