コロナは過去のものになるか

「コロナは医療の根幹を揺るがし、その結果、2022年は『新たな始まり』の年となりました。(医療関係の仕事に残った人も多いのですが)多くの看護師、技師、医師がその仕事を辞め、再スタートを切りました。そのため私も、できたてのチームから成熟したチームまで、さまざまな成長段階にある数多くのチームと仕事をすることになりました。私が気をつけていたことは、チームが信頼の基盤を築き、仕事に対して楽観的であり、なぜそれが大切なのかを理解しているか、ということでした。この3つに注力すれば、2023年に立て直し、革新し、他に抜きんでることができるでしょう」
――アミットパル S. ジョハル、医師、米国消化器内視鏡学会フェロー(ペンシルバニア州ダンビル)

「私たちは、コロナが収束したら、自分たちの知っている快適な暮らしに戻れるのだと信じていました。2022年、その考えを改めさせられました。元に戻ることはなく、向かっている先もわからない。いまより微妙な変化だっただけで、以前から常に物事は動いていたのです。コロナから『戻る』には、多くの努力と変化への適応が必要でした。休んでいる暇などありません。変化への適応力が高くなることと、物事が落ち着くのを期待しないということ、それがいまの『新しい日常』です。常に何かが起こり、変化し続けるということなのです」
――オリアンヌ・ガンビーノ(南アフリカ、ケープタウン)

自分の真価を発揮することについて

 最後に、読者が2022年にどのようにみずからの真価を発揮し、強さや自分らしさについて学んだかを紹介しよう。

「私は、自分が働くシングルマザーであることを純粋に誇らしく受け入れていることに気づきました。受け入れることで、心の平穏を取り戻し、仕事に対する自信が増しています。昔から社交的な人間ではありますが、初めて人から、あなたは誠実でいいメンターになれる、と言われました」
――ドネラ・ティラリー(ニュージャージー州ラリタン)

「私には『年の功』があります。多くのことを成し遂げ、多くのことを経験し、戦ってきた証である傷跡と回復力を持つ私に、ますます多くの人が意見や助言を求めにやってくるでしょう」
――リー・キャラハー(ウィスコンシン州オークレア)

「2022年に学んだことは、『互いを信頼する環境を醸成するには、まず自分がチームを信用し、もっと責任を与えるべきだ』ということです。チームが先にリーダーを信頼しなければならないのではなく、まずリーダーがチームを信頼しなければならないのです」
――ジェームス・ブランド(南アフリカ、ヨハネスブルグ)

2023年を表す言葉とは何か

 「レジリエンス」が2022年を表す言葉ならば、2023年には何が待ち受けているのか。ミズーリ州カンザスシティに住むHBR読者、ダニエル・ディエソは「インフレ、不況、粘り強さ」だと強調する。

 この予測は当たるだろうか。それは、今年の年末になればわかるはずだ。


"Was 2022 the Year of Resilience," HBR.org, December 29, 2022.