次に、学んだことに基づいて行動する

 誠実にコラボレーションに取り組むリーダーと見なされるには、チームプレーヤーとしての評判を高める行動を取る必要がある。ここで肝心なのは、誠実さだ。うわべだけのパフォーマンスとしてやっているならば、周囲はすぐにそれを見抜き、あなたの評判はさらに下がるだろう。

寛大さを示す場をつくる

 見返りなしに、他人に意識的に貢献する方法を探そう。たとえば、こちらから願いを聞く、戦略的課題を支援する、アイデアやリソースを共有する、などだ。見返りなしに与える時、相手がどのような感覚を持つのか注視する。あなたに親切にされた人はどう反応しただろうか。もしこれがあなたにとって新しい行動ならば、最初は少し警戒されても驚く必要はない。彼らはまだ「新しいあなた」をよくわかっていないのかもしれない。忍耐して、時を待とう。

スポットライトを共有し、功績を認める

 あなたが喝采を浴びている時に、誰かに意図的にステージを譲ろう。そうすれば、新しい才能を新しいオーディエンスの目に触れさせ、その人の自信とプライドを高めることができる。さらに、あなたがスポットライトを一人占めするリーダーではないことを、周囲の人々は理解するだろう。(ただし、そう見られたいがための行動ならば、裏目に出る)。

 これは組織にもメリットをもたらす。互いにスポットライトを共有するチームは定着率が高いことが多く、いっそうコラボレーションが促進され、ますます成長する。

アドバイスを求める

 あなたが助けを必要としている困難な問題を、重要なステークホルダーに持ちかけよう。これは弱みをさらすことのモデルであり、謙虚さの表れであり、あなたが他人の支援を必要としていることを、みずから認識していることを示す。

 もしやりにくい相手がいたら、信頼を築く簡単な方法は、その人にアドバイスを求めることである。そして、そのアドバイスをどう活かしたかを報告するとよい。あなたから純粋に必要とされているという確信のある同僚は、公的な場であなたに助けを求めたり、あなたのアイデアを支持したりする可能性が高い。

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 もし、あなたがリーダーとしてコラボレーション能力を強化する必要があるならば、強い意志を持ってそれに取り組もう。不自然なことをしているように感じられたとしても、あなたならやり遂げられる。あなたはこれまで成功を収めてきたし、その成功は、努力して学べる人である証拠なのだ。

 つながりが極めて重視される今日の世界では、優秀な一匹狼は過去のものになりつつある。いま、最も信用と影響力のあるリーダーと見なされるのは、包摂的で、謙虚で、他者を尊重するリーダーである。効果的にコラボレーションを行う能力は、持続的な影響力のあるリーダーになるために、またそうあり続けるために不可欠な条件なのである。


"When Leaders Struggle with Collaboration," HBR.org, December 02, 2022.