2. ミスではなく「見通しの誤り」を取り上げる
誰でもミスを犯すが、面接では単純なミスが個人的な欠点と受け取られ、評価を落としかねない。結局のところ、最も生産的な学習は、ミスからではなく「見通しの誤り」からもたらされるのだ。
物事が計画通りに進まなかったのはいつか。戦略が効果的でなかったのはどのような時か。アプローチが実際のターゲットに届かなかったのはどのような時か。このような出来事は、現代の仕事においては頻繁に起こるもので、個人的な欠点とは見なされない。また、単なるミスよりも、インパクトのある軌道修正ができる可能性が高い。例を挙げよう。
「プロジェクトを開始した時、私たちは顧客基盤が認知済みであることを前提にしていました。しかし、第1フェーズが計画通りに進まず、顧客の認識を見誤っていたことが明らかになりました。この問題を修正するため、次のフェーズへ移る前に、フォーカスグループに対して調査を実施し、私たちがターゲットとする顧客と一致していることを確認しました。この時の教訓は、いまも私の胸に刻まれています」
3. 失敗によけいな注意を向けさせない
「失敗」という言葉は、質問に直接的に答えていることを示すために一度だけ使うのが適切だ。その後は、失敗を「結果」「出来事」「影響」など、否定的ではなく中立的な言葉で表現することで、失敗の影響を最小限に抑えることができる。以下がその例だ。
「その問題を予見できなかったことで、私たちはその出来事(「誤り」や「ミス」ではない)をよく調べ、今後その結果(「失敗」ではない)を回避するための対策を講じることになりました」
4. 「私」ではなく「私たち」へと表現を変える
チームが集団として失敗した場合、意思決定の背後にはコンセンサスがあるため、個人が失敗するよりも共感できる(そして正当である)ように思えるかもしれない。また、チームワークへのコミットメントを強調するという副次的な効果もある。個人的なものではなく、グループやチームで見通しを誤ったエピソードを探そう。以下は、「私」から「私たち」へと表現を変える方法の例だ。
「私は気づきませんでした」→「私たちは気づきませんでした」
「私はその結果を予見していませんでした」→「私たちのチームはその結果を予見していませんでした」
「私は知りませんでした」→「同僚と私は知りませんでした」
5. 深刻度の低い失敗を探す
失敗が深刻でなかった時のことを話すのはよいが、行った修正の重要性が際立つエピソードでなければならない。面接官が興味があるのは、何がきっかけになったかよりも、あなたがそれにどう対応したかなのだ。結果は「潜在的な」失敗だったかもしれないが、それが仮定のものではなく、起こりうる問題でなければならない。以下が例だ。
「そのパンフレットは次号で修正することができましたが、新しい資料を出版する前に何段階もの審査を行うという重要なステップをすぐに追加しました」
「もう少しで取引先を失うところで、そうなっていれば大きな失敗でしたが、私たちは体勢を立て直し、クライアントのニーズによりマッチするようにピッチ資料をつくり直しました」