リモートワークの未来

 タルサ・リモートのようなプログラムはほかにもある。2018年にはバーモント州が、同じような助成活動を大々的に発表した。タルサの成功によって、今後も同様の取り組みが確実に生まれていくだろう。

 問題は、たとえばカンザス州ウィチタやネブラスカ州オマハとの競争を迫られた時に、タルサはリモートワーカーを引き寄せ続けることができるのか、である。安価な住宅を提供できる小規模都市は多くある。GKFFによる1万ドルの給付金は効果的だが、労働者をめぐって他都市と競り合うのは持続可能とは言えない。

 さらに悩ましい問題がある。パンデミックの緩和に伴い在宅勤務は減っており、一部の企業はオフィス復帰を推進している。タルサの主な競争相手はウィチタやオマハではなく、ニューヨークやシカゴかもしれない。

 2022年9月にEIGは、リモートワークに関する別の調査結果を発表し、在宅勤務の割合が最も高い都市を報告した。リストのトップに入ったのはタルサのような新しいリモート拠点ではなく、ワシントンD.C.とサンフランシスコとオースティンだ。オフィス勤務職と在宅勤務職の両方で、いわゆる「スーパースター都市」がいまだに勝っている。


"Tulsa's Big Bet on Remote Workers," HBR.org, January 13, 2023.