
ただぼんやりと待っていてはいけない
成功している企業の内部構造を見ると、多くの部署が複雑に絡み合っていることがわかるだろう。マーケティング、IT、HR、エンジニアリング、法務といった部門が、それぞれ支援する部署とギブ・アンド・テイクを繰り返している。
会社の重点領域が変わると、必然的にある部署の影響力が高まり、その存在が目につくようになる一方で、主流から外される部署が出てくる。
ある製品ラインが顧客にとっての魅力を失い、関連するリーダーや従業員の重要性も低下したように見えるかもしれない。あるサポート部門は、かつて必要な手続きを止めたことがあるために「妨害者」という評判が立ち、事業部門からあからさまに避けられているのかもしれない。しかも、最近のリモートワークの拡大で、意図的に外されているのかどうかを判断するのは難しくなった。
社交の場と同じように、パーティに招かれない部署で働いていると、自分が取り残されているのではないかと不安になるだろう。あなたの部署が主流から外されたことは、自分自身のキャリアや将来の影響力はもとより、チームのモチベーションや有効性にどのような影響を与えるのか。
本稿では、自分の部署が社内で主力から外されたと感じた時に講じるべき5つの戦略を紹介する。
蚊帳の外に置かれている根本原因を考える
筆者はコーチングの仕事をしていて、すべての部署が同じ理由で主力から外されるわけではないことに気がついた。また、研究によると、職場で仲間外れにされるのは不快だが、必ずしも悪意があるわけではない。
あなたは、影響力のある主要ポジションの人物との関係がうまくいかず、脇に追いやられているのだろうか。あるいは、単にいくつかのミーティグやメールに加えられていないだけなのか。少し状況を調べてみて、相手の行動をできる限り好意的に解釈しようとすれば、主要なチームや同僚の間であなたの影響力を高める戦略を練りやすくなるだろう。
一部の部門が主力から外される理由として、よくあるのは「社内で評判が低下したため」というものだ。これは、前リーダーの不手際のせいであることが多い。もしあなたが、前任者の不手際の巻き添えを食らったチームの新リーダーに就任した場合には、ただ傍観しているのではなく、意図的にリブランディングに着手することが欠かせない。
前リーダーの悪口を言うのではなく、あなた自身の新しいビジョンをチームとステークホルダーに力強く伝える。「我々の部署は、会社を前進させることに注力しており、あなたがたのチームと、これまで以上に深い信頼関係を構築する方法を積極的に学んでいる」といった言い方ができるだろう。
あなたが部署のナラティブをコントロールして、部下の頭の中にある「古い音楽」を一新する努力をしなければ、会社のテーブルに席を取り戻すことはできないかもしれない。