仕事中毒の同僚が及ぼす悪影響を防ぐ方法
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サマリー:仕事中毒の同僚は、周りのタスクや返さなければならないメッセージを増やす迷惑な存在である。しかし、それだけではない。周囲の人々の心身の健康にダメージを与え、燃え尽き症候群に陥らせる可能性があるのだ。本稿... もっと見るでは、仕事中毒の同僚からの悪影響を軽減するための対策を4つ紹介する。 閉じる

仕事中毒の人は
同僚たちの心身を蝕む

 あなたの同僚は、誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで働く。あなたのチームに舞い込んでくるタスクはすべてすすんで引き受け、メールには数分で返信する。会社でも、自宅でも、いつも仕事をしている。つまり、仕事中毒だ。

 仕事中毒の上司の下で働くのも大変だが、仕事と結婚しているかと思えるような猛烈な同僚がいるのもつらい。仕事中毒の同僚と働いた経験がある人なら、その2次的なストレスがいかに周囲に広がりやすいかを知っているだろう。同僚が残業しているから、あなたもそうしないといけない気がする。すべてが大急ぎで、メッセージにはすぐに返事が来るから、こちらが対処しなければいけないタスクやメッセージも増える。

 仕事中毒の同僚は、迷惑な存在であるだけではない。周囲の人の心身の健康にダメージを与えることもあるのだ。あなたを燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥らせ、創造性や生産性、仕事への満足度を低下させるおそれもある。

 レイオフ(一時解雇)や経費削減の波が世界の企業を襲う中、同僚が自分の価値や居場所を証明しようと躍起になることはよくある。だが、一生懸命働くことと、感情的に仕事に依存することとは別だ。仕事に熱心に取り組む人と、仕事に執着している人の違いは、モチベーションにある。仕事中毒の人は、仕事に全力をそそがなければいけないという内的衝動に駆られ、スイッチを「オフ」にできない。だから業務時間外にも仕事のことを考え、プライベートや人間関係を犠牲にする。

 仕事中毒の同僚に対処するのは大変かもしれないが、あなた自身やチームへの影響を軽減できる対策がいくつかある。

人格と行動を切り離して考える

 同僚の過剰労働は、あなたよりも優秀であることを示すためだと勘繰りたくなるかもしれないが、これは「根本的な帰属の誤り」と呼ばれる認知バイアスの典型例だ。社会心理学では、他人の行動の原因をその人の性格や人格に見出す一方で、自分の行動の原因は自分ではどうにもならない外部要因や環境のせいだと考える傾向をいう。

 つまり、あなたの同僚は、あなたを威嚇したり、差をつけたりしたいから働きすぎているのではない。他の理由を考えることによって、あなたの思考から認知バイアスを取り去ろう。たとえば、同僚は個人的に大変な経験をしていて、そこから逃れるために仕事に打ち込んでいるのかもしれない。あるいは、昔の職場のトラウマに反応しているのかもしれない。