過剰労働をほめない
同僚の仕事の成果が、明らかに働きすぎによってもたらされたものなら、称賛するのはやめよう。たとえば、プレゼンの資料を徹夜で作成したことを知っているなら、その犠牲を称えれば逆効果になる。今度、同僚が大忙しだと不満を漏らした時、「すごい、いつも人一倍頑張っているね」などと肯定しないこと。そのようなコメントは、一心不乱に働くメンタリティを補強するだけだ。
自分の振る舞いに気を配り、同僚の仕事中毒を助長しないようにしよう。土曜日の午後にメールの受信トレイを整理するのは都合がよいかもしれないが、メッセージを送信するタイミングは月曜日に設定して、週末にメールのやり取りをするはめに陥らないようにしよう。また、自分の中でバランスを取ることにも力をそそごう。あなたがポジティブなロールモデルになれば、同僚も自分を大切にしてよいのだと気づくかもしれない。
同調圧力に抵抗する
仕事熱心な同僚を見て罪悪感を抱くと、あなたも同僚と同じパターンに陥りやすくなる。自分の能力と同僚のアウトプットを比べて、「私は本当に頑張っているだろうか」と思ってしまうかもしれない。「私も追いつかなくては」と、無理をし始める前に、自分の考えを見直し、極端な考え方に陥らないよう注意しよう。たとえあなたが午後8時の電話に出ず、
もし同僚が、「○○○をやらなくていいなんて、最高だろうね」と受動的かつ攻撃的なことを言ってきたら、「本当にそうですね」と答えよう。「休みなしに働かなくてはと思っている人が多いけれど、私は違う。このほうが私は△△△という恩恵を得られる。猛烈に働いたほうがいいという風潮に乗らなければ、いろいろなプレッシャーから解放される」と答えればよい。
境界線を設定する
仕事中毒の人は、境界線がほとんどないことが多い。ギリギリになって生じた変更に対応するために全力をそそぎ、頼まれたことを断れずに苦労する。あなたは、返答時間や対応に関する期待を管理して、自分を守らなくてはいけない。
たとえば、同僚が、24時間以内にプロジェクトの概要書をまとめてほしいと言ってきたとしよう。あなたは「それはできません」と答えて、「今後こういう仕事を頼みたかったら、少なくとも3日前には知らせてくれないとスケジュールを調整できない」と説明するとよいだろう。また、過剰な努力を迫るシステムや手順の改善を求めてもよいだろう。
あなたが境界線を設定したら、当初は同僚が憤慨したり反発したりするかもしれない。それは正常な反応であり、あなたの努力が効果を発揮している証拠だ。自分の立場を貫き、最後まで諦めず、必要なら強く主張しよう。
最後に、生産性に対する自分の考え方を修正することを覚えておこう。日々の成果を労働時間の長さで測定したくなるかもしれないが、一番重要なのは仕事のクオリティだ。仕事ができるとは、長時間働くことではない。結果を出すことなのだ。
"How to Work with a Workaholic Colleague," HBR.org, February 01, 2023.