1on1ミーティングで上司からのサポートを引き出す方法
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サマリー:上司との定期的な話し合いの場である「1on1ミーティング」が開かれても、仕事の進捗確認で終わる場合が少なくない。もしそうならば、部下であるあなたが主導権を握って会議を効果的なものに変え、自身の成長を後押し... もっと見るしてもらう場にすべきだろう。その際は、本稿に記した上司への28項目の質問集が活用できる。 閉じる

1on1ミーティングが機能しない時

 ブリアナが新しい職務に就いた時のことだ。彼女は、上司のジェイデンと定期的に「1on1ミーティング」(以下1on1)をすることになると告げられ、それを歓迎した。新しい上司と足並みを揃え、サポートや指導を受ける絶好の機会だと考えたからだ。

 しかし、彼女の期待はすぐに打ち砕かれた。最初のミーティングで、ジェイデンはプロジェクトの進捗状況だけに焦点を置き、その後、ブリアナに新たな仕事をいくつか与えた。このような1on1のパターンは何週間も続いた。ブリアナは、ミーティングのたびに上司に細かく指示されるだけで、成長するためのサポートが受けられていないと感じていた。

 この話は残念ながら、マネジャーと直属の部下との1on1に関する調査において、筆者らが従業員から聞いた多くの話を組み合わせたものだ。筆者の1人(スティーブン)が新著Glad We Met: The Art and Science of 1:1 Meetings​(未訳)で述べているように、よい1on1とは、従業員の「実践的なニーズ」と「個人的なニーズ」の両方に対応しているものだ。

 ここで言う実践的なニーズは情報、指導、連携を指しており、個人的ニーズは配慮、尊敬、信頼、サポートを伴って個人が扱われる必要性を示す。そのため、1on1ミーティングは、従業員が成長したり、サポートを受けたりするうえで重要な源であり、チームと組織全体の繁栄と成功を促進するものだ。

 しかし、こうしたメリットがあるのは、従業員のニーズに対応する頻繁な会話が行われる場合のみだ。また、1on1は一般的に上司が進行するため、部下よりも上司の頭の中にあることが取り上げられがちだ。上司は、そのトレーニングを受ける機会がほとんどなかったため、かつて上司自身が経験した、1on1が機能しなかった時の慣行をただ繰り返してしまうことが多い。

 もしあなたがブリアナと同じように、上司のやり方ではサポートを受けられない、耳を傾けてもらえないと思うならば、自身のニーズに合わせてその会話を進める権限があると考えるべきだ。その際は、以下に示す賢明な質問を投げかけることが必要だ。

上司への質問法

 1on1で切り出すべき重要なトピックについて従業員200人近くから収集したデータと、公表されている研究をもとに、上司との会話から最大の価値を引き出すのに役立つ、7つのカテゴリー、28の主要な質問を特定した。これらを自由に使い、調整することで、自分の言葉に組み込むことができる。

指導とアドバイスを求める

 以下の質問は、苦労している仕事やプロジェクトについて上司に助けを求めたり、追加のリソースやアドバイス、サポートが必要であることを伝えたりするためのものだ。

1. Xについて、いくつかの課題や葛藤を抱えています。Xをうまく進め、対処する方法を考える手助けをしていただけますか。
2. Yを支援するためのさらなるサポート(人、時間、資金)を得る方法について、アイデアや考えを教えてください。
3. 私のアイデアZをどう思いますか。それを改善するためのご提案はありますか。あるいは、私が検討すべき別の案はありますか。

優先順位と期待を明確にする

 計画通りに効率的に仕事を進めるために、あなたと上司の認識が一致していることを確認する。上司の目から見て、最も注意を払うべき仕事は何かを明確にしてもらう。

4. 私が抱えている仕事の中で、いま何を優先すべきか、そしてそれはなぜかを教えてください。
5. 私の仕事量を見直していただけますか。適切なプロジェクトや仕事だとお考えでしょうか。
6. ボスから見て、目標達成に向けて順調に事が進んでいるとお考えですか。ボスの期待にかなう進捗ですか。焦点を定め直す必要がありますか。
7. 取り組んでいるプロジェクトについて、私が見落としている文脈や背景はないですか。たとえば、Xのプロジェクトを行う理由は何でしょうか。

組織とその戦略に適合する

 自分の役割が、組織の広範な戦略目標やリーダーの将来についての考え方と、どのように関連しているかを理解するための質問をする。

8. 重要な仕事に取り組むうえで、会社の上層部(あるいは他の部門)について知っておくと役に立つこととは何ですか。
9. 全体像を理解するために伺いますが、私が取り組んでいる仕事、あるいはいま与えられた仕事は、より大きな目標や戦略の中でどのように位置づけられますか。
10. 経営陣が取り組んでいることや検討していることで、私の役割に影響を与えうる、いま私が知っておくべきだと思うことはありますか。
11. 会社の新しい戦略的優先事項で、私が知っておくべきことがあれば教えてください。