チームの戦略と戦術をリセットする

 チームの使命や目標を変えた場合は常に、戦略を検討し直す必要がある。しかし、戦略の刷新は、使命や目標を変更した場合に限って実行すべきものではない。新しい可能性を検討することは、どのような時でもリセットの手段になりうる。

・チームの戦略はチームの使命と合致しているか:チームの使命や目標が変わったのであれば、それに合わせてどのように戦略を変更する必要があるのか。たとえば、単にソフトウェアを提供するだけでなく、専門サービスを提供することがチームの役割に加えられた場合、その新しいビジネスモデルを成功に導くために必要なことは何か。

・戦略のどの点を改定する必要があるか:引き続き同じ目標を追求し続けるのであれば、これまでどの点がうまくいっていて、どの点で方針を改める余地があるのか。どの要素を捨てるべきなのか。どの要素を強化すべきなのか。

・どのような緊急事態が発生する可能性があるか:これまでと同じ使命、目標、戦略、戦術を維持するにしても、新しいシナリオを検討して、緊急対応プランを準備することを通じて、チームのあり方をリセットできる。現在のプランは、どのような条件を前提にしているのか。その前提が成り立たない状況が生じる場合、要因があるとすれば、それは何か。状況が変化しつつある場合、それを示唆する先行指標は何か。

チームの役割をリセットする

 あなたのチームが目指している方向は間違っていなくても、メンバーのエネルギーと才能を最適な形で活用できていないケースがある。その場合は、一人ひとりのメンバーの職責を再検討すればよい。

・チームのメンバーは役割の変更を必要としていないか:役割や権限を変更することによって、メンバーにより高い成果を上げさせることはできないか。誰かの担当業務の構成を変更する必要はないか。メンバーに複数のスキルを習得させたり、能力を高めたり、役職の継承を円滑に進めたりするために、チーム内の担当変更を大々的に行う必要はないか。新しい課題を与えることにより、活力が高まりそうなメンバーはいないか。

・どうすれば、メンバーの職責をよりわかりやすいものにできるか:メンバーの担当業務を微調整することにより、それぞれの職責をより納得感のあるものにできる余地はないか。職責を複数のメンバーで共有している結果として、責任感が希薄になってはいないか。意思決定の権限を明確化することを通じて、すり合わせ、効率性、有効性を改善するには、どうすればよいだろうか。

 チームをリセットするための建設的な方法の一つは、自分たちが会社や社内の同僚や顧客から期待されている内容をあらためて強く意識することだ。それにより、チームの情熱に再び火を点け、自分たちが何のために頑張るのかを再確認することは、リセットの最良の出発点になるだろう。