ユーザーがお気に入りのポッドキャストや動画から重要な箇所をクリップして整理できる新製品があるとする。クリップすれば、保存し、分類し、一つの場所に集約できるというものだ。あなたはオーディエンスに向けたピッチをつくりたい。ピッチは以下のようなものになる。

 もしあなたが短編のオーディオや動画のコンテンツを保存し、収集し、分類することができるとしたらどうでしょうか。
 そうすれば、コンテンツに素早くアクセスし、それらを組み合わせ、学習や運動、生産性向上に役立つ自分だけの重要なプレイリストをつくることができます。
 たとえば、アスリートは、特定のストレッチエクササイズに役立つポッドキャストや動画のアドバイスを集めたプレイリストをキュレートしています。そうすることで、ジムや自宅、トラックで運動する準備をしている時も、望むコンテンツに簡単にアクセスできるのです。
 それだけではありません。この製品にはソーシャルな要素もあります。個人的なプレイリストを友人と共有することや、同じような興味を持つ人たちとコミュニティをつくることもできます。

 では、セールス以外の例を見てみよう。あなたは、オフィス全体の環境に優しい取り組みを提案する職場の委員会に所属しているとする。屋上の使われていない部分にオーガニック菜園をつくるために地元の会社と契約するというアイデアを持っており、このコンセプトを委員会で採用するためにピッチをしたい。ピッチは以下のようなものになる。

 もし私たちが新鮮な農産物をその場で注文して購入できるとしたらどうでしょう。
 そうすれば、地元産のオーガニックの果物や野菜を従業員に提供し、革新的で持続可能性のあるアイデアの模範を示すことができます。
 たとえば、屋上の自家菜園で採れた新鮮なイチゴやトマト、キュウリをつまんだり、従業員が持ち帰ったりすることができます。
 それだけではありません。菜園を管理するグループは(非行に走ったり虐待を受けたりするなどの)危険にさらされている若者を雇用しており、従業員にも彼らの指導や菜園の手入れに積極的に参加するよう推奨しています。結果として、私たちはコミュニティを支援し、私たち全員に利益をもたらす重要な関係を築くことができるのです。

 上記の2つの例が示すのは、アイデアや製品、サービスを売り込む際に、相手に不快感を与えたり、長々と話したりする必要はないということだ。重要なのは、自分の立場を支える基盤となる強力なフレームワークを使うことだ。

 では最後に。

 もしあなたが、自分のアイデアを明確で簡潔かつ説得力を持って売り込むことができる、便利な4つのセンテンスの構成を採用できるとしたらどうだろう。

 そうすれば、聴衆の興味をかき立て、耳を傾ける気持ちを喚起することができる。

 たとえば、聴衆に、次のピッチでこの構成を活用するよう説得することもできる。

 それだけではない。この構成は、ピッチの機会があるとわかっている計画された状況だけでなく、そうした機会が自然に発生するような、その場その場の状況でも使うことができる。

 この検証済みのフレームワークを利用することで、簡潔で適切で、かつ説得力のあるスピーチが可能になり、自分の視点や情熱を他者と共有することを実際に楽しめるようになる。


"How to Make a Compelling Pitch," HBR.org, August 14, 2023.