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短期的な収益を追いながら
長期的なブランドを築く
今号の特集は「これからのマーケティング」です。デジタル技術の発展に伴い、マーケティング領域が急速に変化しています。本号では、最新のマーケティング手法に光を当てながら、マーケターの意識変革の必要性からAI(人工知能)ツールの活用法まで、実践的なアプローチを紹介します。
特集1本目「マーケターはこれから何を考え、どう行動すべきか」では、ファミリーマート チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の足立光氏が、短期的な利益獲得に貢献しながら、自社ブランドの長期的な価値向上を実現するための戦略を語ります。どんなに技術が発達しても、マーケティングの本質は「4P+C」にあると指摘します。
特集2本目「マーケティングの意思決定を支える3つの手法」では、AIを活用し、最適な経営判断を下す方法を解説します。人の関与度合いから「記述的分析」「予測的分析」「処方的分析」に3分類して考察します。AIに委ねる領域とそうでない領域を分けて考えることが重要です。
特集3本目「ブランド構築とパフォーマンスマーケティングを両立させる方法」では、元プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の筆者らが、長期の価値も短期の収益も犠牲にしない、新たなブランド測定法を提案します。実際に、航空サービス、ファーストフードチェーン、ワインメーカーの3社で成果が上がっています。
特集4本目は「心理ターゲティングを効果的かつ倫理的に実践する」です。ケンブリッジ・アナリティカ問題を暴いた筆者が、消費者の行動を変容させるための心理ターゲティングの有効性とその倫理的側面を考察します。行動データからユーザーの性格プロファイルを特定することで驚くべき効果につながります。
特集5本目「AIは私たちのアイデンティティや消費活動にいかなる影響を及ぼすか」では、AIや自動化技術を活かしたビジネスが人々の心理的抵抗につながる理由について、数々の研究から解き明かします。先端技術の導入によって、人々の気持ちが傷つかないようにするための丁寧なコミュニケーションが欠かせません。
リーダーは、次々と登場するデジタル技術に振り回されてはいけません。「自社の商品、サービスがなぜ選ばれるか」。こうした問いを立て、人間の心理的要因を深く考察することがいま求められています。
また、今月も特集テーマについて語る無料イベントを開催いたします。ご興味のある方、購読を迷っている方はぜひお気軽にご登録ください。
(編集長 小島健志)