感情的知性を2分で高める3つの習慣
Francesco Carta fotografo/Getty Images
サマリー:職場でネガティブな感情をコントロールできなければ、人間関係やパフォーマンスに悪影響を及ぼすことになる。そうした感情に対処するために役立つのが、感情的知性(EI)だ。本稿では、EIに関するスキルを強化する方... もっと見る法を科学的に検証してきた筆者が、EIを即座に高める3つの習慣を紹介する。 閉じる

ネガティブな感情による影響は、もっとも大切な人が受ける

 職場である状況に対して、自慢できないような反応をしてしまったことはないだろうか。あるいは、機嫌が悪い時にメールを送って、後悔したことはないだろうか。どれほど成功し、成果を上げても、感情のコントロールに悩むことは誰にでもある。そして、後になってその結果に苦しむのだ。

 職場には「感情を持ち込まない」という、暗黙の考えが古くからある。しかし、それほど単純なことではない。感情は、靴のように入り口で脱げるものではない。そして、多くの人が痛感しているように、ネガティブな感情を処理できないことの影響をまともに受けるのは、たいてい自分が最も気にかけ、最も動揺させたくない人、つまり愛する人や大切な同僚だ。

 研究によると、ネガティブな感情は人間関係だけでなく、力を最大限に発揮する能力にも影響を及ぼす。ストレス、フラストレーション、恐怖、怒りなどの感情を抱いている時は、集中力、注意力、記憶力、身体的健康、精神的健康、意思決定力のすべてが低下する。その対処法を知っておくことは非常に重要であり、そこで役に立つのが感情的知性(EI)だ。

 筆者はイェール大学経営大学院で何千人ものリーダーにEIを教え、それが個人の成功に変革をもたらすことを目の当たりにしてきた。EIの3つの重要な要素が、自己認識、自己調整、ポジティブなつながりだ。筆者の最新刊Sovereign(未訳)では、これらのスキルを強化する方法について、科学的裏付けのある戦略を検証している。それらの戦略は、あなたのEIを即座に高めることができるものだ。

2分間で自己認識を引き出す

 後悔するような態度で人に接してしまうのは、たいてい意図的ではない。故意に無礼だったり不親切だったりしたわけではなく、自己認識が欠けていただけだ。