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【HBR CASE STUDY】
[コメンテーター]
ジェフ・ムーア(Geoff Moore)キャズム・グループ 創設者兼会長
ドナ・ダビンスキー(Donna Dubinsky)JDテクノロジー 共同創設者兼CEO
ラリー・キーレイ(Larry Keeley)ドブリン・グループ 社長
ジョージ・クエスネラ(George Quesnelle)スミスクライン・ビーチャム バイス・プレジデント
スコット・ワード(Scott Ward)ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 教授
フィリップ・ピッファー(Philip Pifer)フリトレー 副社長
[ケース・ライター]
アンディ・ブラックバーン(Andy Blackburn)ボストン コンサルティング グループ ヴァイスプレジデント
マット・ハルプリン(Matt Halprin)ボストン コンサルティング グループ マネジャー
ルース・ベローリア(Ruth Veloria)ボストン コンサルティング グループ コンサルタント
*HBRケース・スタディは、マネジメントにおけるジレンマを提示し、専門家たちによる具体的な解決策を紹介します。ストーリーはフィクションであり、登場する人物や企業の名称は架空のものです。経営者になったつもりで、読み進んでみてください。
CEOの憂鬱
「よし、今夜の飯代はフレッドに払わせよう」。プラクシムのCEO、ジャック・トンプソンはこう思いついた。いま彼は、パロアルトにある行きつけのレストラン、イル・フォルネオに向かって、インターステート101を北上中である。
旧友のフレッド・ウォンには、プラクシムを設立した時から、融資の面倒を見てもらっている。ジャックは、不振続きの業績について彼から御小言を頂戴するのがわかっていた。「あれこれ言われるだろうな」。ジャックはため息をついた。「せめて勘定くらいは持ってくれるだろう」
ジャックはプラクシムで勤続18年間になる。うち12年間はCEOの職にある。いまや同社は、ワークステーション、PC、サーバ、ソフトウエア、サービスなどの販売で売上高数十億ドルを誇るまでになったが、その功労者こそ彼である。しかし増収増益の時代は終わり、B2C市場における競争の激化により、最近業績が伸び悩んでいる。