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【HBR CASE STUDY】
[コメンテーター]
ホー L. リー(Hau L. Lee)スタンフォード大学 ビジネススクール 教授
クサム・アイラワディ(Kusum Ailawadi)ダートマス大学 タック・ビジネススクール 准教授
マイク・バーグマン(Mike Bargmann)ウェッグマンズ・フード・マーケット 流通担当バイス・プレジデント
ジェニー・ダニエル・ダック(Jeanie Daniel Duck)ボストン コンサルティング グループ ヴァイスプレジデント
[ケース・ライター]
ジョン・バットマン(John Butman)コミュニケーション・コンサルタント
*HBRケース・スタディは、マネジメントにおけるジレンマを提示し、専門家たちによる具体的な解決策を紹介します。ストーリーはフィクションであり、登場する人物や企業の名称は架空のものです。経営者になったつもりで、読み進んでみてください。
月曜日・午前10時42分
エクセソ第14工場
エクセソのCEOであるR・フォーレイ・ビントンは、硬質プラスチックのヘルメットを被り、ゴーグルをつけ、首には耳栓用のひもをかけている。彼は、プラスチックの仕切り板を押しのけて工場に入り、作業現場がけたたましい騒音を立てているのを聞いてひと安心した。
そして、その仕切り板を手で押さえたまま、訪問者の証券アナリストのアンドレア・バルディーニ(工場見学のため、フォーレイと同じような格好をしている)を工場内に招き入れた。
彼女は「現在、この工場は何交替制ですか」と、騒音の中で大きな声を張り上げて質問した。
「三交替制でやっています」。フォーレイはにこりともせず、万事ビジネスライクに答えた。「とにかくフル稼働させています」