経営者の右腕 なぜあの人は必要とされるのか
サマリー:『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)2026年2月号の特集は「経営者の右腕 なぜあの人は必要とされるのか」です。意思決定が複雑化を極める昨今、経営トップには信頼のおけるパートナー的存在がより必要となっています。ナンバー2にはどのような資質が求められるのでしょうか。共同創業者として望ましいのはどのような人物で、投資家とはどうつき合うべきなのでしょうか。そこで2026年2月号の特集では、企業成長の可能性を最大化するために、どのような点に留意して盤石な経営体制を構築すべきかを考えます。

「名もなきヒーロー」の仕事に学ぶ

 編集者という黒子役の職業柄か、世間で注目を集める人物を見るとつい、その陰にいる「名もなきヒーロー」のほうに惹かれます。イチローの活躍を支えたバット職人の久保田五十一氏。「5人目のビートルズ」ジョージ・マーティン氏。アップルの「もう一人のスティーブ」ウォズニアック氏などなど。

 経営者の活躍にスポットライトが当たることはあっても、その背後にいる名もなきヒーローの存在が語られることはそう多くありません。けれど実は、こうした立役者がいるからこそ、その試みは実を結んだのであり、その成功は夢物語に終わらず現実のものとなったのです。逆に経営者にとっては、そんな頼れる心強い存在を探し当てられたら、それだけで翼の片方を授かったような心持ちになれるのではないでしょうか。

 そこで今号の特集「経営者の右腕 なぜあの人は必要とされるのか」では、組織のナンバー2や共同創業者、投資家など、経営者を支えるキーパーソンの存在に注目しました。

 特集1本目「組織のナンバー2の役割は、経営者の価値観を感覚でつかみ、実装すること」は、サイバーエージェントの藤田晋氏を最も近いところから支えてきた共同創業者の日高裕介氏へのインタビューです。組織が急速に成長する中、日高氏は何に心を砕き、どのような役割を担ってきたのでしょうか。

 2本目「理想の共同創業者の見つけ方」は、起業家が共同創業者を迎える際に心得ておくべきポイントを整理した論考です。パートナーとの関係性が悪化すれば事業の危機にもつながりうることから、自分に適した人物かどうかの見極めは極めて重要です。

 3本目「参謀にこそ、リーダーシップが必要である」は、元ブリヂストンCEOの荒川詔四氏による参謀論。参謀と経営者という両方の立場を経験した荒川氏が語る「戦略実行の補佐役」としての参謀像には、ビジネスパーソンが倣いたい行動原則が詰まっています。

 そして4本目「並外れた成長を遂げるために、創業者CEOは投資家とどう付き合うべきか」は、これも経営者にとって重要なパートナーである投資家との関係性構築において、乗り越えるべき3つの課題を提示します。

 経営者が見ている未来を、現実のものにするのが右腕たち。その仕事ぶりに学び、組織の成長につながるヒントを読み取っていただけたら幸いです。

(編集長 常盤亜由子)