チームの成果を本当に高める職場環境のつくり方
Illustration by Dominika Lipniewska
サマリー:ナレッジワーカー6000人超を調査した結果、高業績チームに共通する職場環境は「集中して働ける静かな場所」だった。効果的な協働には、議論や意思決定の場だけでなく、各自が中断されずに思考し、決定事項を実行できる環境が欠かせない。出社やリモートといった形式を超えて成果を伸ばすポイントはどこにあるのか。本稿では、意図的な集中時間の確保など、チームのパフォーマンスを高める3つの指針を紹介する。

高業績チームに共通する職場環境とは

 チームのパフォーマンスを最大限に引き出すオフィス環境とはどのようなものだろうか。

 これは、企業が長年向き合ってきた問いだ。個室オフィス、キュービクル(パーティションで区切られた半個室)、オープンオフィス、シリコンバレー風のキャンパス型オフィス、近年広まったハイブリッドワークまで、職場環境の改革が次々と試みられてきた。

 しかし、どのような職場環境が高業績チームを育むのかは実のところまだよくわかっていない。

 卓越したチームと平均的なチームの違いを解き明かすべく、筆者らの研究チームはさまざまな業界のナレッジワーカー6000人以上を対象に調査を実施し、突出して高い成果を上げている一握りのチームを特定した。そして、リーダーシップ、チームの習慣、働き方、職場の設備や福利厚生など、彼らの成功を支える要因を分析した。

 調査では、協働作業用の共有スペース、個室の会議室、オフィス内のジム、卓球台、無料の軽食やコーヒーに至るまで、20種類以上の設備や福利厚生から自社で利用可能なものを回答してもらった。

 理論上は、これらの要素はいずれもパフォーマンス向上に寄与する。グループの一体感を高める、従業員のウェルビーイングを改善する、あるいは業務をスムーズに行う環境を整えるといった効果が期待できるからだ。

 しかし調査の結果、高業績チームに一貫して見られた要因はただ一つだった。それは、集中して仕事ができる静かな場所だ。高い業績を上げる「スーパーチーム」のメンバーは、誰にも邪魔されずに集中できる環境があると答えた割合が平均的なチームに比べて52%も高かった。

 静かな作業空間があることが、なぜチームワークと関係するのだろうか。

 その理由は、効果的な協働には「常に一緒にいること」以上の要素が求められるからだ。チームにはアイデアを議論し、取り組みをすり合わせ、意思決定を行う場はもちろん必要だが、同時に各メンバーが批判的に考え、問題を解決し、決定事項を実行に移すことも欠かせない。こうした作業には中断されずに集中することが不可欠であり、それを可能にするのが静かな作業空間だ。