ビジネスモデルの革新は
多くの利益をもたらす

 2008年初頭、パリの4人の起業家がインターネットで家具を販売するマイファブを立ち上げた。同社は現在、イケア以来の規模で業界を変革しつつある。

 競合他社のように大量の在庫を確保する代わりに、マイファブはデザイン案を載せたカタログをつくる。顧客に人気投票をしてもらい、特に支持されたデザインだけを製品化し、工場から購入者へ直送する。つまり、実店舗、在庫、複雑な流通網、ロジスティックス・ネットワークは保有していない。

 投票を通じた開発への参加やユーザー間の交流というソーシャルな側面は多くの顧客を魅了したが、顧客にとっての最大の魅力はその価格にある。マイファブは、サプライチェーンを簡素化し、顧客が求める製品のみを生産することによって、既存の家具販売店よりも大幅に低コストで製品を提供することができた。