成長曲線の先を見通す

 最も成功しているビジネスといえども、そのすべては、遅かれ早かれ成長が頭打ちになる。この暗澹たる現実に直面して、企業は定期的に事業の再構築を迫られることになる。

 このような困難の伴う仕事をうまく成し遂げる能力、すなわち、ある事業の成熟段階から次の事業の成長段階へと乗り換えることこそ、高業績企業と、ほんの短期間しかトップに立てない企業との分かれ目である。

 再構築が手遅れになってしまった企業には、悲惨な末路が待っている。マシュー S. オルソンとデレック・バン・ビーバーは、共著『ストールポイント[注1]』のなかで、企業の成長がひとたび大きく停滞すると、完全に回復する確率は10%に満たないことを示している。これは恐ろしく暗い見通しである。頭打ちになった企業の3分の2がその後、買収されたり、非上場化したり、または倒産に追い込まれたりする。