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競争の原理自体は何ら変わらない。
変わったのは、新たなチャンスが生まれつつあること
編集部(以下色文字):ポーター教授はかつて1979年以降に「5つの競争要因」「バリューチェーン」など、現在の戦略論のベースとなる数々の概念を発表されました。このような理論を発表された当時といまでは企業を取り巻く環境は大きく変化しています。ITの飛躍的な進歩によりネットワークは発展しました。中国やインドなどBRICsの台頭により、世界経済のバランスも変わりつつあります。また2008年には、世界金融危機を経験しました。こうした時代の変化を経ていま、企業経営において最大の課題は何とお考えですか。
ポーター(以下略):1980年前後の世界と現在とでは、世界は大きく変貌しました。競争のグローバル化、新興国の台頭、技術革新、経済に果たすサービス部門の役割拡大など、企業の経営環境そのものが変わったと言っても過言ではありません。分野によって変化の度合いや内容は異なりますが、それらは多くの業界で競争要因に影響を及ぼしています。
しかし、競争の原理自体は何ら変わりません。収益性は依然として、業界構造、および差別化された競争優位を築く企業の能力に左右されます。