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『ハーバード・ビジネス・レビュー』との出会い
インドで大学に通っていた頃、私は夏季休暇に何度か企業研修生として働いた。たいていは簡単なエンジニア業務の手伝いであり、その頃の私は序列でいえば間違いなく末席にいた。
置かれた立場を自覚する場面は、たえずあった。たとえば、午後になると紅茶を載せたカートが職場を回ってくる。上層部には、磁器製カップに注がれた紅茶がミルクや砂糖、ビスケットなどの菓子を載せた受け皿とともにふるまわれる。中間幹部にはカップだけが供され、私のような労働者には、質素なカップにインスタントの紅茶が配られた。
しかし、もう一つ、企業のヒエラルキーのなかで序列を測る物差しがあった。私が大きな影響を受けることになるその物差しは、ある日私のデスクの上にくたびれた姿で届けられた1冊の雑誌だった。