ベンチャーの後ろにいる凄い人たち
――ベンチャーの経営者に憧れるのは分かるんですが、当時からベンチャー・キャピタリストに憧れがあったのはなぜですか?
松山:僕も学生時代はよく知らなかったので、VCベンチャー・キャピタリストという人がいるということすら認識していなかったですね。やっぱり、ヤフーのジェリー・ヤンとかアマゾンのジェフ・ベゾス、ネットスケープだったらマーク・アンドリーセンに注目して見ていました。ミーハーだったんで(笑)。
それが20代の中盤くらいになると、どうやらそういう人の後ろにお金を出して本当の意味でリスクを取っている人がいると分かってきます。
日本だと赤字の企業にお金を出す人なんかいなかったんです。それがなんでアマゾンみたいに赤字続きの会社が事業を立ち上げていくことができるのか。その後ろにちゃんと資金面で支えている人がいたんですね。アマゾンやネットスケープにはジョン・ドーアがいて、ヤフーやグーグルにはマイク・モリッツがいる。そういうのがわかるようになって、VCに興味を持つようになりました。
ネットエイジの時代に資金がなくなってきた頃、何も知らないから、アーリーステージの会社なのにもかかわらず、シリコンバレーのほとんどのVCにメールしましたね(笑)。50社くらいメールしたんじゃないでしょうか。結果は当たり前なんですが、見事に無視されましたね(笑)。見事なまでのムダな努力でしたが、お陰でシリコンバレーのVCに詳しくなりました。