消費者とのつながりを築くことが
ブランド価値を高める

DHBR(以下色文字):多くの消費者がソーシャル・メディアを活用するようになりました。企業と消費者との接点が増えると思われましたが、ソーシャル・メディア上では、消費者は企業の広告を受け流します。企業は消費者に対して、どのようなメッセージを発信すればいいのでしょうか。

コトラー(以下略):ソーシャル・メディア上で企業ができることは2つあります。一つは〈グーグルアラート〉などを使って、ソーシャル・メディア上に流れる自社の評判に耳を傾けることです。何の評判にもなっていない、評判がよい、評判が悪いという情報を、リアルタイムで把握できます。

 もう一つは、もっと積極的に使うことです。コカ・コーラやマクドナルドがやっているように、自分の会社のストーリーを〈フェイスブック〉などに載せて発信する方法です。もちろん「ウチのコーラはおいしいよ」「わが社のハンバーガーは絶品です」などという、単なるプロパガンダはいただけません。そうではなく、消費者の質問に対して真摯に答える時に、ストーリーを乗せていく形がいいのではないでしょうか。