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自力成長にはマーケティングが不可欠
わずか10年前には、ゼネラル・エレクトリック(GE)はこれといったマーケティング組織を持っていなかった。何十年もの間、技術力に強い自信を持ち、あたかも「製品は放っておいても売れていく」と考えていたかのようだった。マーケターに任命された人材は、セールス支援(見込み客の発掘や見本市への出展など)やコミュニケーション(広告や販促資料の作成など)を担当した。
マーケティング分野の人材は全社戦略を議論する場にはお呼びがかからず、よくて補助的な存在、悪くすればお荷物と見なされていた。一部の事業部、たとえばGEアプライアンスやGEプラスチックス(すでに売却)では、マーケティング人材に貢献の機会が与えられていたものの、他の大多数の事業部では、素晴らしい人材が日の当たらない仕事を与えられて腐っていた。
社内には懐疑派が多く、彼らはマーケティング職能がGEの事業成長に役立つなどとは考えていなかった。一例として、商用・軍用航空機向けにジェット・エンジンを開発、製造する売上高数十億ドルの事業部、GEアビエーションを取り上げたい。商用航空機向けのジェット・エンジン業界は、片手で数えられるほどの航空機メーカー、GEの競合2社(ロールスロイスとプラット・アンド・ホイットニー)のほか、およそ300の航空会社が関わるだけの、比較的シンプルな構造である。