クリエイティブと売上げの間に相関関係はあるか

 だれでもいいから広告業界のプロフェッショナルをつかまえて「この業界で成功する秘訣は何か」と尋ねれば、返ってくる答えはおそらくどれも似たようなものだろう。その多くは、オグルビー・アンド・メイザー・ジャーマニーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるステファン・ボーゲルが述べた次の有名なせりふの請け売りになるはずだ。

「クリエイティブ広告ほど効果的なものはない。クリエイティブ広告は記憶に残りやすく、忘れがたく、メディアへの露出が少なくても効果を発揮するうえに、ファンのコミュニティを生み出す──しかも素早く」

 しかし、単に商品の性能や長所を並べただけの広告と比べて、本当にクリエイティブ広告のほうが人々を買う気にさせる効果が大きいといえるのだろうか。たしかにクリエイティブなメッセージのほうが人々の注目を集め、マーケティング対象の商品に対してより前向きな感じ方をさせるという実験結果は数多く報告されている。