アフリカの人材の潜在能力は素晴らしいが、教育やスキルのレベルにばらつきがあり、いずれもまだ発展途上にある。そこで我々は、現地の大学や技術教育機関と協業し、スキル強化、とりわけ技術分野の能力を高めるカリキュラムづくりを始めている。さらに、アフリカ大陸の高名な教授や実務の専門家を招いて諮問機関を設置した。彼らは、我々と現地双方のニーズの特定と、長期にわたる人材育成の取り組みを支援してくれている。

 優秀人材のプールがある程度確立されている国々、とりわけ中国やインドでは、競争は熾烈である。ここでは企業が訓練と継続的な教育をいかに提供するかが、人材を獲得しつなぎとめるための重大な差別化要因となる。したがって、上海とベンガルール(旧バンガロール)にあるGEのリーダーシップ開発センターは、人材に対する強いコミットメントを示すうえできわめて重要な意義を持つ。

 各地域のニーズに合わせた人材戦略に加え、我々はその他の変化要因にも応じて人材計画を改善している。数年前に、キャリアは浅いが有能な若手のグループを招いた。GEのリーダーシップのプロセスに、彼ら特有のニーズをどう取り込めばよいかを助言してもらうためである。彼らの報告の中で特に目についたのは、リテンション(人材維持)に関する問題だった。

 ミレニアル世代(諸説あるが、主に1980年前後~1990年代に生まれた人々)は社会に出て数年を経た後、何度も転職を繰り返す傾向が強い、という話はだれしも聞いたことがあるだろう。若手グループ(名称はグローバル・ニュー・ディレクションズ・チーム)はこんなアドバイスを寄せてくれた。「私たちを会社につなぎとめようとするのではなく、私たちが『会社にいたい』と思えるよう奮い立たせてほしいのです」。この概念に後押しされ、GEは組織が掲げる目標、および従業員の間に深く根づいた使命感を、より強調する形で事業を進めるようになった。新世代の人々は、「オンリネス(onlyness)」を知りたがっている。すなわち、世の中のために自社だけが実現できることは何なのか、自社のその志がどう自分を奮い立たせ、理念の実践へと向かわせてくれるのか、である。

 人材確保の取り組みはこれで完了ではなく、我々は今後もグローバルとローカルの両面で、取り組みを改善し続ける必要がある。しかしこの経営課題に対処するカギはやはり、各地域の特性を重視した人材獲得計画と、能力開発への十分な投資である。GEのリーダーたちは、この課題を真摯に受け止めている。人材への取り組みは、長期にわたる自社の差別化には不可欠なのだ。


HBR.ORG原文:Competing for Talent in Every Geography June 24, 2014

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ラグー・クリシュナムーシー(Raghu Krishnamoorthy)
GEの幹部育成担当副社長兼チーフ・ラーニング・オフィサー