それならば、1回で疲れるほど長時間にわたる会議をやるより、細切れにやったほうが効率的です。スポーツに置き換えて考えると、ハーフタイムのような休憩を挟むとよいでしょう。

グリーン では、最後の質問です。だれもが経験があると思われますが、ブレストでたくさんしゃべる人と、何もしゃべらない人がいる場合、どうバランスを取ればいいのでしょうか。

トンプソン 「発言の偏り」の問題ですね。これは、「参加の不均衡」の問題としても知られています。どんなグループにも他の人よりたくさん発言する人がいる、ということです。もちろん、いろんな人がいるという多様性は重要です。ただし参加者にとっては非常にフラストレーションがたまる状況でもあります。しかも、放っておけばますますひどくなる。

 よくしゃべる人は「他の人が黙ってばかりで役立たずだから、自分が発言しているんだ」と考えています。無口な人は「誰も自分の話に耳を傾けず、話を遮られてばかりだから、発言するのはとっくにあきらめた」と主張したいでしょう。両者に言い分があるのです。

 これはよくある問題で、授業でも起こります。記録してみると、学期を通して、4~5人の生徒の発言が全体の80%を占めています。私はそんな時、「ブレーンライティング」という手法を用います。まず学生やクライアントに伝えるのは、ブレーンライティングはブレーンストーミングとは違うということです。このプロセスでは、グループのメンバーが同時にアイデアを書き出すからです。

 たとえば、私のクライアントの企業では、10分間のブレーンライティングを行います。3×5インチ(127×76mm)の小さなインデックスカードか、さらに小さいものを用意します。4×6インチ(102×152mm)、まして5×7インチ(127×178mm)のカードを渡そうものなら、参加者は長々と文章を書いてしまうからです。インデックスカードを配り、1枚のカードに1つのアイデアを、できれば1文で書いてもらいます。

 こうすれば、参加者全員が同時にアイデアを出せるのです。引っ込み思案な人や、入社したての人や若手であっても、邪魔される心配がありません。私はブレーンライティングをする際、2つのルールを定めています。「告白しない」、そして「推測しない」ことです。「告白しない」はカードに自分の名前を書かないというルールで、「推測しない」はカードを壁に貼り出した時、だれがどのアイデアを書いたかを推測しないというルールです。なぜなら次に、ポストイットやシール、あるいは何か面白い方法で投票をするからです。

 この方法であれば、内容だけに基づいてアイデアを選ぶことができる。CMOのアイデアだから投票するのではなく、会社や組織を面白くしてくれるアイデアだから投票するのです。

「発言の偏り」の問題は、参加者に「少し黙って」とか「もっと発言して」と注意しても効果がありません。おしゃべりな人はそれでも話し続けるし、物静かな人は萎縮してしまいますからね。ブレーンライティングは、どちらの問題も解決する素晴らしい手法なのです。


HBR.ORG原文:The Truth About Creative Teams April 4, 2013

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サラ・グリーン(Sarah Green)
『ハーバード・ビジネス・レビュー』のシニア・アソシエート・エディター。