4人が描き始めても、座って考え続けた藤森社長
次は、アーティストである谷澤邦彦さん(通称:Kuniさん)から、どんな絵を、どう描いていくのかという説明があります。
40分から1時間くらい描くと聞いた藤森さんは「そんなにかかるの!」と驚いた様子。忙しい経営者にとって、1時間はとても長い時間に思えることでしょう。しかし、ある程度時間をかけて描くことで、ゼロからイチを生み出す感覚、自身のクリエイティビティを実感できるのです。ここは、ワークの重要なところです。
高橋さんは、「絵を描くのは、学校の授業でやったきりだから……」と少し及び腰の様子。Kuniさんはそんなメンバーに対して、ハードルを下げるように、丁寧に楽しく説明をしていきます。
このワークでは、パステルという画材を使って、指で色をぼかし、なじませて描きます。「この方法を“こすりんぐ”と言うんです」というKuniさんの定番ネタは、ちょっと間があってからくすくすという笑いが。少し、ネタだということがわかりづらかったようです(笑)。
次に、正方形の画用紙をどの角度から見るのが一番いいのか、ある程度描いたら回してみてくださいという指示が。
「これを、“まわしんぐ”と言います」
ここでは一同笑いが起こり、藤森さんも「ああ、なんかだんだんわかってきました(笑)」というリアクション。場の空気もあたたまってきました。
テーマ「働くうえで大切にしていること」についてワークシートに記入したあとは、いよいよ描くワークに入ります。
まずは紙選び。12色のなかから、自分が絵を描く紙を選ぶのです。高橋さんと今さんの男性チームは、スーツの上着を脱いで、腕まくりを始めました。気合いが入っているようです。
岡本さん、近石さん、高橋さんは画用紙を持って自席に戻ると、すぐにパステルを手に取り、描き始めました。岡本さんは、右隅から赤とピンクを塗っています。近石さんが描いているのは、リボンのような曲線。少し間をおいて今さんも、紙を選び、色を重ね始めました。
そんななか、藤森さんだけは席に座ってじっと考え込んでいます。