ターゲットのインサイトを捉える

 まずは、ターゲットのインサイトを理解することである。例えばシャンプーを例に考えてみたい。Googleトレンド(注1)で 「シャンプー」 という検索キーワードの傾向を2013年1月から2015年5月にかけて見てみると、関連する 「コンディショナー」「リンス」 にはほとんど変化がないが、シャンプーの検索数は増加傾向にあった。これだけでも 「シャンプー」 のビジネスチャンスは増えていそうだが、重要なのはその検索している「気持ちの中身」(=インサイト)を知ることだ。そこでシャンプーと共に検索するキーワード(シャンプー XX)を調べてみると、「シャンプー 香り 持続」「シャンプー 匂い 残す」といったキーワードが増えていることがわかった。

 検索という行為は、ニーズの表れでもある。つまりこれは、ターゲットが、シャンプーについては機能面のみならず、パーソナルな欲求を満たしたいと考えていることを示すトレンドの発掘であり、ここにターゲットの真のインサイトが隠されていたのである。こういった生活者の興味関心を捉えたコンテンツは、ブランドからの一方的なメッセージとは違い、受け入れられやすい素地となる。

生活者ごとに最適なコンテンツとは : Hero Hub Help

 ターゲットのインサイトを捉えてはじめて、何が最適なコンテンツかを考えることできる。グーグルでは「3H(スリーエイチ) コンテンツストラテジー」を活用している。これは、YouTube視聴傾向を分析し、YouTube視聴者が好む動画の種類を分類し、企業・ブランドにとって役に立つであろう3つの方向性に整理したものだ。もちろん、この考え方はあらゆるコンテンツに当てはまるが、今回は動画コンテンツの代表的な成功事例とともに紹介していく。