グローバル化には4つの形態があり、それに応じて求められるリーダーは全く異なってくる。4つのタイプに応じた人材とその育成方法について論じる。

4つの組織形態で異なるグローバル人材と育成方法

前回はバートレットとゴシャールによるグローバル化の4つの形態モデルを紹介し、育成すべきグローバル・ビジネスリーダー(GBL)人材像をイメージする前に、自社が将来どんなグローバル組織を目指すのかを明確にすることの必要性を説いた。

 今回は4つのグローバル化形態のそれぞれで、どのようなグローバル人材が求められ、その人材をどのように育成すべきなのかを具体的に考える(図表1)。

①インターナショナル企業
 インターナショナル企業は輸出型企業である。国内で生産した製品を海外に輸出し、海外の代理店や問屋を通じて売るというビジネスモデルだ。ここで必要となる人材は、現地に赴いて現地のパートナー企業を開拓し、交渉し、契約し、パートナーシップを築くという“グローバルビジネスディベロッパー型”リーダー、簡単に言えば日本の商社マンタイプのリーダー人材である。過去に多くの日本企業は海外ビジネスの新規開拓で商社を活用することが多かったため、このような人材をあえて社内で育てる必要はなかった。