博報堂の広告クリエイターはチームで考える
博報堂の広告クリエイターによるリーダーシップも紹介したい。広告クリエイターというと天才的なアイデアマンが一人で考えているかと思われるが、博報堂の広告クリエイターはチームで考える。コンスタントに成果をだしているクリエイターは、実はファシリテーション型リーダーなのだ。
ある広告クリエイターは、チームメンバーのアドレナリンを出すことが、リーダーとして最も重要だと話す。例えば、複数のアイデアをクライアントにプレゼンテーションする時は、チームに「A案、B案、C案の『C』は、クレイジーの『C』だ!」と語り、突拍子もないアイデアを出したくなる雰囲気を作る。また、ミーティングルームの壁一面にアイデアを貼って何日も経つと、テープの粘着力が弱くなって落ちてくることがある。リーダーはその機会を逃さずに、「落ちたアイデアはボツ!嫌だったら復活プレゼン!」と水を向けてみると、当初とは違った視点が見つかることがあるという。
また別のクリエイティブチームのリーダーは、会議が煮詰まってきたら行う儀式があるという。それは、「この会議は40分後にブレイクスルーします!」と宣言をすることだ。もちろんその根拠はないのだが、そう宣言することで本当にブレイクスルーすることが何度もあるそうだ。リーダーの経験と自信がメンバーに伝わり、会議の雰囲気が活性化することで、アイデアが生まれることがある。このように、クリエイティブチームのリーダー達は様々な方法を使いながら、いかにしてメンバーのアドレナリンを高めてクリエイティブな瞬間を作りだすかに知恵を絞っている。