100年に一度の大変革
攻めの姿勢に“ギアチェンジ”

編集部(以下色文字):米国で1年前に開催された「CES2018」で、豊田章男社長がトヨタ自動車を「モビリティカンパニーへ変革する」と宣言し、話題を呼びました。あらためて、この宣言の意味と背景を聞かせてください。

寺師(以下略):トヨタはこれまで、自動車を開発・製造・販売することがビジネスの主体の会社でしたが、今後は、すべての人が自由に楽しく移動できる未来の社会を実現するモビリティカンパニーに変わります、ということです。

 背景にあるのは、自動車業界にとっての100年に一度の大変革です。急速な技術革新が、いわゆる「CASE」(Connected〈つながる〉、Autonomous〈自動運転〉、Sharing & Service〈シェアリングとサービス〉、Electric〈電動化〉)を現実のものにしてきています。