●話を聞く

 一緒に働く人のためにできることは、単純なことでもある。携帯を置き、コンピュータの前から離れ、相手の話に真摯に耳を傾けよう。

 ●相手のいいと思うところを伝える

 その人がすばらしいことをしたから、その人に頼みごとをしたいから、ではなく、これを自発的に行うと効果絶大のプレゼントになる。同僚の自身に対する見方も、あなたとの関係性も、チームの文化もよい方向に変わる。

 ●声を掛ける

 セオドア・ルーズベルトが言ったとされる、好きな格言がある。「人は、あなたが関心を持っていることを知って初めて、あなたの知っていることに関心を持つ」。これは誰が言ったにしても、肝に銘じたい言葉だ。

 仕事仲間に連絡を入れる。調子はどうかと(本心から)尋ね、いま抱えている問題について聞けば、相手への気遣いが伝わるはずだ。

 マネジャーにとって部下にアプリシエーションを示すことは特に重要だ。グラスドアによる従業員アプリシエーション調査では、53%の人が上司のアプリシエーションをより感じられるほど、会社にとどまる可能性も高まると回答した。上司からすでに十分なアプリシエーションを示されていると回答した人が68%いたにもかかわらず、である。その心は何か?示せば示すほどよいということだろう。

 TEDx talkでも話したように、優れたリーダーたる者、アプリシエーションとレコグニションの両方を意識し、心がけなければならない。2つの違いをきちんと理解することは、職場で(日常でも)誰のためにもなる。レコグニションは、誰かが収めた成果を認める際に適切であり必要でもあるが、アプリシエーションはいつでも大事なのだ。


HBR.org原文:Why Employees Need Both Recognition and Appreciation, November 12, 2019.

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マイク・ロビンズ(Mike Robbins)
20年にわたり、さまざまなリーダー、チーム、そしてフォーチュン500企業のコンサルティングや講演活動を精力的に行っている。近著Bring Your Whole Self to Work(未訳)を含む4冊の著書がある。