男女不平等に取り組むべき時

 アーリーステージの投資家でよかったと思うことの一つは、変化を信じることを使命とする点だ。画期的なイノベーションが期待できるものの、まだスタートラインに立ったばかりの企業やチームに投資するには、いまはまだ小さな、あるいは存在すらしていない何かが、明日の世界では生活の必需品になると固く信じていなければならない。

 テクノロジーにおける最大級の進歩のいくつかは、この楽観論によりもたらされた。指先の操作で情報を取得したり(グーグル)、海を越えて人々がアイデアを交換したり(ツイッター)、無料で言語を学んだり(デュオリンゴ)、接続性を高めて新たな働き方を実現した(ズーム)。いまやこのエネルギーを活用して、テクノロジーに付きまとう最大の問題の一つ、すなわち男女の不平等に取り組む時である。

 世界経済フォーラムによると、現在の進み方では、米国における男女平等が達成されるのはまだ208年も先である。線形成長を拒否し、飛躍的発展に焦点を合わせることが本質であるベンチャーキャピタルならば、平等への歩みを加速させることができる。しかし、それには女性投資家と、男性および女性双方からの女性起業家への投資を増やさなければならない。テクノロジーのエコシステムに女性をもっと引き込めば、イノベーションの波を起こせる。その波が未来を変え、未来世界での女性の役割を変えるだろう。