●どのように前進するかについて、明確な理解と合意を確認する

 基本的な問題点を理解したら、あなたが話し合いを呼びかけた目的は、問題の核心と向き合い、(新しい情報も考慮しながら)前に進む方法について合意するためであることを、明確に伝える。

 直属の部下が納期に間に合うように手助けする場合も、チームのメンバーと効率的に協力しようという場合も、何が問題で、どのように取り組み、どのような成果を目指していて、そのために誰がいつまでに何をしなければならないかを、それぞれが確実に理解することが不可欠だ。

 まず、あなたが彼らから聞いた内容を整理して、問題の所在を確認するところから始めてもいいだろう。あなたが「了解している」、つまり、彼らの話を理解していることを互いに確認する。必ずしも同意するという意味ではなく、彼らの見解をあなたが把握している、ということだ。

 続いて、あなたが問題だと思っていることに対して個人的な不満があれば、率直に示す。たとえば、こんなふうに言う。「わざと納期に遅れているわけではないことは、私もわかっている。事情はすべて、よく理解した。しかし、納期に間に合わなければ、結果として、終わらない分を私が引き受けなければならない。そのせいで私自身のプロジェクトが遅れてしまう。それが不満なんだ」

 最後に、問題に取り組むための新しい戦略を試す意志があるかどうかを確認する。このアプローチは相手によって変わる。相手が直属の部下なら、たとえばこんなふうに語りかける。「ここから成功を目指してほしい。私たちの見解が一致していることを確認するために、何が問題なのか、これまでの話をもう一度、私に説明してほしい。前進するために、私たちは一緒に取り組んでいけそうだろうか?」

 あるいは同僚なら、こんなアプローチがいいだろう。「いまの話し合いをもとに、一緒に目標を設定して、それを達成する方法をどのように高めていけるか、意見を出し合おう」

 いずれの場合も、共感を示し、目標に向けて互いに努力しようと確認すること。そのうえで意見を出し合い、次の具体的なステップについて合意できる。