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新型コロナウイルス感染症の流行は、社会にあまりに大きな変化をもたらした。多くの企業がこの状況に適応すべく、みずから積極的に変わろうとしている。だが、アジリティ(敏捷性)とレジリエンス(再起力)を発揮したければ、まず組織の安定化に注力すべきだと筆者らは主張する。本稿では、強固な基盤を構築する7つの方法を紹介する。


 企業が突発的で大規模な変化に対処するには、アジリティ(敏捷性)とレジリエンス(再起力)が必要だとよくいわれる。今日ほど、このことが当てはまるときはない。新型コロナウイルスの感染拡大によって生じる変化に、人々は対応しようと取り組んでいる。

 しかし、筆者らが携わった新たな研究によれば、逆説的に次のことが示唆される。真のアジリティとレジリエンスを得るには、企業は最初に、自社の安定に注力しなければならないのだ。

 職場で混乱を伴う変化が起きているとき、組織を安定させる基盤があれば、従業員は自信、安心感、プラス思考を持つことができる。その状態であってこそ、彼らは平常心の維持、合理的な行動、状況の進展に応じた巧みな適応が可能になるのだ。

 筆者らはこのことを踏まえ、現在の危機において、リーダーが安定化の基盤を築くうえで参考にできる7つの慣行を考案した。いずれもエビデンスにもとづくものである。