(1) 1つの活動を変えて、目的意識にもとづく人付き合いを始める
人間の人生における目的意識は、仕事内外の人付き合いから構築される。多くの人にとって、仕事は目的意識の源泉だが、実のところ人生の目的や意味の50%以上は、人間関係を通じて感じられるものだ。目的意識は仕事の性質だけでなく、仕事を中心とするネットワークにも存在する。
立派な仕事(医療や教育)に従事する人たちが、最も不幸せな気分の可能性もあるし、一見ありふれた仕事をしている人たちが、強い目的意識を持っている可能性もある。仕事と人生どちらのつながりも、目的意識を生み出す。
仕事のつながりとは、次のようものだ。
・リーダーと組織文化:人をやる気にさせるリーダーの下で働くこと、あるいは何らかのビジョンのために働くこと。正しいことをやり、同僚の成功を気に掛ける文化の一員であること。
・仲間:有意義な未来を一緒につくり、価値観が同じ人たちに関与すること。
・チームとメンター:仲間やチームメート、後輩が成功するためのコンテクストをつくること。人を助け、成長を見守り、自分の学びを共有し、透明性を確保すること。
・消費者とステークホルダー:消費者から評価を受けること。たとえば、人々を治癒する科学や、人生を豊かにする商品などの成果。
一方、目的意識を生み出す人生のつながりには、次のようなものがある。
・スピリチュアル:宗教、音楽、アート、詩歌など審美的領域を中心にして、仕事をより大きなコンテクストに位置づける人付き合い。
・市民活動やボランティア活動:有意義なグループに貢献するとウェルネスがもたらされる。また、同じような志を持つ多様な人と知り合うきっかけができる。
・友人と地域社会:グループ活動を通じてつながりをつくる。スポーツのほか、読書クラブやディナークラブ、子どもの友人の親との関係などがあるだろう。
・家族:家族の世話をし、優れた行動の模範を示し、親戚との交流を通じてアイデンティティを維持する。
目標は、生活を突然一変させて、ここに挙げたすべてを実行することではない。まずは、1つのことを変えよう。でも、どれを? そこでちょっとしたアクティビティをやってみよう。
こちらの図表をよく見てほしい。まず、いまのあなたに最大の目的意識を与えてくれる項目に100ポイント与える。それ以外の項目は、あなたの人生に多面性を与えてくれる領域だ。
次に、自分がシフトすることで、最も多くの領域に最大のインパクトを与えられる項目を選ぶ。すぐにどれかを選べない場合は、以前関心があったことを考えてみよう。かつてやっていた運動、趣味、関心事を再開することは、仕事一筋だった人が新しい仲間をつくる第一歩になることが多い。
1つを選んだら、関係するグループに接触して、その領域の目標に力を注ごう。厳しいルールを定めて、家族を巻き込もう。
あなたの生活に変化が定着してきたら、次の項目を1~2個選ぼう。すると、仕事の外で人付き合いがない理由は、言い訳にすぎなかったことがわかるだろう。時間はつくれるものだし、やろうと思えば、仕事のスケジュールを合わせることもできる。