●自分のネットワークを使う

 フェルナンデス=アラオスとマークマンは、この状況下で職を得るには、これまで以上に誰を知っているか、特に組織の上層部の誰を知っているかが重要だという点で同意している。

「採用担当マネジャーは履歴書やポートフォリオの束の中から、親しみを感じる何かを探す」とマークマンは述べる。したがって、自分のネットワーク内の人たちと積極的に交流しよう。次の仕事の機会を探していることをソーシャルメディアに投稿し、あなたにどんな能力があるかを説明してもいいかもしれない。

 疎遠になっていた昔の同僚に、直接連絡を取るのもいいだろう。リンクトインのつながりリクエストを送ったり、様子伺いのメールを出したりして、自分の状況を説明し、次の職を探すうえでのアドバイスを求めてもよい。

 これはもちろん容易なことではない。仕事をしておらず、よい話題がない場合には、むしろ辛いだろう。とりわけいまは、誰もがふだんより困難を感じている可能性がある。

 しかし、人は可能なときには他人を助けたいと思っていることを忘れないでほしい。私は最近、昔の同僚と再びつながりを持った。仕事を探している彼女にアドバイスし、いくつかの就職の可能性についても話すことができたのは、とても嬉しかった。

 ●履歴書とカバーレターを磨き上げる

 フェルナンデス=アラオスは「ふだんよりも共通の知り合いを探すことに努め」、読み手の注意を引くようなカバーレターに書くべきだと語る。

 過去にプレッシャーの大きな環境で働いた経験があることにも言及したほうがよいだろう。なぜなら、多くの企業が現在の優先事項として挙げているのは危機を乗り越えることで、それに貢献できる人材を探しているからだ。

 もちろん常日頃から履歴書をアップデートしておくのはよい習慣だし、失業した直後や失業しそうなときには、とりわけ重要だ。それに、カバーレター履歴書の書き方に関する基本的なアドバイスは、いまなお正しい。

 ●リモート面接に備える

 ほとんどの人々が在宅勤務をしているため、運よく面接まで進んだ場合、面接はリモートになる可能性が高い。準備や本番に対する標準的なアドバイスは対面型の面接と共通だが、リモートの場合はほかにも考えなければならないことがある。

 ・テクノロジー

 面接の日程が決まったら、どの会議プラットフォームを使うのかを聞き、特に画面を共有する機能を使う必要がある場合には、うまく使いこなせるように時間をかけて勉強しておこう。接続は必ず事前に試しておきたい。

 万が一テクノロジーに問題が生じた場合に面接相手に連絡を取る手段も、把握しておくとよい。「プレッシャーがかかっている状況でまごつくのは避けたい」とマークマンは助言する。「相手はできるだけ寛大に受け止めようとするだろうが、もしあなたが不測の事態についても考慮していたと示すことができれば、能力の高さを伝えられる」。

 さらに、テクノロジーが可能な限り最良の状態で機能するように環境を整えておこう。その例としてマークマンは、面接時間中はテレビ番組をストリーミング視聴しないよう家族に頼むことを挙げている。

 ・外見

 目指すべきは、きちんとした社会人に見えることである。スーツの上着を着る必要はないだろう。いまの状況下ではむしろ妙に見えるおそれがある。しかし、スウェットシャツも避けたほうがよい。

 面接にはニュートラルな背景を選ぶこと(言うまでもなく、バーチャル海岸のような背景は避けよう)。フェルナンデス=アラオスは、もしきちんとしたオフィスのような部屋なら背景として見せても問題ないだけでなく、人間味を出すのに役立ち、壁の前にいるよりも望ましいと言う。しかし、何もない壁を背景に選ぶほうが、邪魔をされたり、散らかった部屋を偶然見せてしまったりというリスクは避けられる。

 立って面接するのも一案だろう。「そのほうがより動きが出るし、声帯はより短時間で温まるし、写り具合の調整もしやすい」とフェルナンデス=アラオスは言う。