(3)コンフリクトに対処するスキルを聞き取る
組織心理学者フレッド・フィードラーと彼の共同研究者は、もう一つ極めて重要な質問に言及している。「あなたが最も苦手とする同僚について教えてください」という質問だ。
優れた対人スキルが必要なポジションならば、苦手な同僚に一語でレッテルを貼ってしまうか(「気難しい」「いちいち細かい」など)、もっと多面的に状況をとらえているか(「違う訓練を受けてきたので、仕事の手順について意見が合わなかった」など)を聞き取る。
レッテルを貼るのは簡単に決めつけることになり、一緒に働くための解決策を生み出すことは皆無に近い。多面的に解釈できるほうが、お互いに生産的に交渉できる余地がある。
(4)非言語的サインを探す
最後に、候補者が何を言ったか以上に、どう表現したかに注目しよう。冒頭のジェームズは、後から振り返れば、マイクは自信にあふれていたが、権力志向や自己中心主義、他人への関心の低さもにじみ出ていたという。
候補者は、できる限り感じよく振る舞っているかもしれないが、自信ではなく軽蔑や優越感、敬意の欠如を示す非言語的サインを感じ取れることもある。たとえば、自分が話すときはアイコンタクトしても相手の話を聞くときにはアイコンタクトしない、他人の領域に侵入する、微笑んでいるようで実はあざ笑っているなどだ。
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優秀な面接官は、面接では無意識の要因が働くことを認識しているため、第一印象や直感に頼るという落とし穴にはまらない。
あなたもこれまでに挙げたテクニックを使えば、たとえ候補者を選抜し面接する時間が短くても、より深く相手を見て話を聞くことができる。そうすれば、そのポジションにふさわしい人かどうかを、より確実に評価できるだろう。
HBR.org原文:How to Hire Without Getting Fooled by First Impressions, February 15, 2016.
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