レジリエンスを持つことの利点

 想定外のストレスに直面したとき、レジリエンスの原則を採用している企業は、複数の利点を順次経験する。

 最初に生まれるのは、予測に関する恩恵だ。要するに、差し迫っている脅威に早く気づけるのだ。

 この利点がただちに企業業績を押し上げることはないとしても、ある企業が高度な予測能力を持っているかどうかは、業績以外の面で見て取れる場合がある。たとえば、この能力に長けた企業は、レジリエンス・プランを迅速に発表できる(新型コロナウイルス危機では、ほとんどの企業がレジリエンス・プランを迅速に策定できなかった)。また、この能力は、あとの段階で恩恵を生み出す要因にもなる。

 次は、打撃に関する恩恵だ。ショックに襲われたときの抵抗力と耐久力が高まる。この恩恵に浴するためには、しっかりと準備をして、迅速に対応することが必要だ。

 その次は、回復スピードに関する恩恵だ。ショックから回復するスピードが速まる。レジリエンスの原則を採用している企業は、ショック以前の活動レベルに復帰するためにどのような修正が必要かを見極め、それを素早く、有効に実行できるのだ。

 最後に、結果に関する恩恵を手にできる。ショック後の新しい環境で、より足腰の強い企業になれる。

 この4つの違いが積み重なることにより、大きな差が生まれる。中国がそうだったように、新型コロナウイルスの感染拡大というショックに直撃された初期には、ほとんどの業種のほとんどの企業が一斉に大きな打撃を被った。しかし、その後の回復期の業績は、企業によって大きな違いがあったのである。