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大恐慌以来の危機をどう乗り切るか
十分な教育研修を受け、高い給料をもらい、常に自己鍛錬を怠らないような労働力を持たない限り、アメリカは他の国々に伍して戦うことは不可能である。さらに今後、高い生活水準を維持し、上昇させ続けることもできなくなる。
それにもかかわらず、アメリカ経済を見渡す限り、だれもが本気でそう思っていないかのように振る舞っている。企業は労働者への投資よりも短期的な利益を重視し、国家の政策立案者たちは高止まりしている失業率と不完全就業率への対応を怠っている。
生産性は上がっているのに、ほとんどの労働者の賃金は過去30年にわたって横ばいである。労働組合は影響力が大幅に弱まるとともに、都合のよいスケープゴートになってしまった。このような現実は理屈に合わないのだが、我々はこの人的資本(ヒューマン・キャピタル)のパラドックスが続くのを許している。その結果はどうか。まごうことなき国家的緊急事態である。