●自分の不安をモニタリングする
あなたは職場復帰に不安を感じていることを人に知られたくないと思い、自信やポジティブな外観を装おうとするかもしれない。あるいは、自分の不安に気づいていないかもしれない。
不安を隠したいと思うか、誰かにぶちまけたいと思うかにかかわらず、自分が職場復帰にどのくらい不安を感じているのかを注視しよう。何よりも重要なのは、不安を打ち明けられる人を見つけることだ。上司がダメなら、人事部の誰か、あるいはお金を払ってコーチやセラピストに相談するのもいいだろう。
不安の管理を間違えると、健康面と、大切な人間関係に望まぬ結果をもたらす恐れがある。たとえば、ストレスによる不眠や過食になるかもしれない。事態を掌握しているという感覚を取り戻そうとして、やたらとルールに厳しくなるかもしれない。
ある組織の女性従業員は、職場復帰しても大丈夫なのか不安なあまり、全スタッフが個人防護具(PPE)の着用ルールを守っているかチェックする役割を買って出て、当然ながら煙たがれる結果を招いた。居心地の悪い感覚がどのような形を取るのであれ、それを自覚して、うまく対処しよう。
●忍耐力と柔軟性を持つ
会社のコロナ対策は、時間がたてば変わっていくものだと思っておこう。
新しい情報が入ってきたり、状況が変わったりすれば、会社はそれに適応しなければならない。それが急に必要になることもあるだろう。忍耐力と柔軟性をもって自分の期待を管理すれば、変更があるたびにイライラしたり、ナーバスになったりせずに済む。
変更があったとき、「うちの会社は全然わかっていない」と思わないようにしよう。組織がすすんで学習し、改善を図ることは、ポジティブな兆候であることが多い。たとえそれが、行き当たりばったりに見えたとしても。
よく知っているルーチンワークを前にすると、あなたの脳は依然として自動操縦モードを探す可能性が高い。自分の脳が新しいショートカットをどんどんつくることに、あなた自身驚くかもしれない。
だが、あまりに早く安心するのは禁物だ。波乱のスタートに適応したと思った3日後に、また状況が変わるかもしれない。事前に期待値を抑えておけば、さほどいらいらしなくて済むだろう。
最後に、上司に対して思いやりを持とう。もともと上司のことをあまり好きでないのなら、なおさらだ。彼らは、部下たちの移行を助けると同時に、自分の移行も管理しなければならないという、プラスアルファのプレッシャーにさらされている。
スタッフの安全と生産性を維持するためには、何に効果があり、何に効果がないかを学び、適応するまでは、誰もがいつも以上の思いやりとアジリティを持つ必要がある。全員がともに学習すれば、物事がよりスムーズに運ぶようになるのは間違いない。