Catherine MacBridge/Stocksy

この数ヵ月で私たちの働き方は大きく変わった。フェイスブックやツイッターは早々に、今後も在宅勤務やリモートワークを認めると宣言した。オフィスワークは完全に廃れるのだろうか。本当に、新しい仕事のパラダイムが生まれようとしているのだろうか。働き方の未来を予想するよりも大切なのは、自社が何を達成したいかを明らかにして、それを実現するシステムを構築することだと筆者らは主張する。


 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは4月末、今後のリモートワークについて計画を示した。2030年まで5万人の従業員の半数以上を在宅勤務にすると約束したのだ。「フェイスブックは、この規模のリモートワークで最も先進的な企業になる」と、ザッカーバーグは決意を語った。

 その数日前には、ツイッターのジャック・ドーシーCEOが、ツイッターとモバイル決済のスクエアの従業員は、「オフィス再開後も、自分が最もクリエイティブで生産的だと思える場所」で仕事ができると発表していた。

 フェイスブックやツイッターをはじめとするテクノロジー企業は、この20年間、従業員をできるだけ長時間会社にとどまらせて、有能な人材とアイデアの「衝突」を生み出すために、魅力たっぷりの社屋をつくってきた。だが、新型コロナウイルス感染症は、従業員が自宅でも十分に(場合によってはこれまで以上に)生産的になれることを明らかにした。

 テクノロジー企業だけではない。年間何十日も出張に費やしてきた伝統産業のエグゼクティブたちは、きちんと管理されたズーム会議なら、対面の会議と同じくらい有効で、ずっと計画しやすく、しかも安上がりなことに気づいた。

 では、アップルが50億ドルかけた新社屋「ザ・スペースシップ」は、無用の長物となるのか。グーグルは本社「グーグルプレックス」を捨てるのか。世界中で、企業はオフィスビルを出て、物理的なプレゼンスを縮小するのか。新しい仕事のパラダイムが生まれようとしているのか。