
新型コロナウイルスの感染拡大により、ビジネスパーソンは急遽、バーチャル会議の導入を強いられた。対面と比較して得られる情報量が限られる中、同僚とのコミュニケーションに苦労する人もいるだろう。この新たな環境で、参加者が率直に意見を伝え合える関係性を構築するには、どうすればよいのか。本稿では、挙手や投票、ブレイクアウトルームなどを目的に応じて活用し、心理的安全性を高める方法を紹介する。
今年(2020年)初めに新型コロナウイルス感染症が公衆衛生上の危機として認識されると、世界中の人々が当面の間、自宅で仕事をすることを余儀なくされた。
突然のバーチャルワークへのシフトが人や企業に与える影響を完全に理解するには何年もかかるかもしれないが、バーチャル会議が心理的安全性に与える影響について多くの人が疑問を持ち始めるのに、さほど時間はかからかなった。心理的安全性とは、個人的な影響を恐れずに疑問や懸念、意見を述べることができると感じる状態だ。
不安に思うのには、それなりの理由がある。バーチャル会議では、社会的手がかりや非言語の同意を読み取ることは、ほぼ不可能だ。チームメンバーは、向かいの席でうなずいて擁護してくれる仲間がいないと孤立したように感じるかもしれない。
また、集中力を乱すもの(メールやメッセージ、玄関のベル、子ども、ペットなど)が至る所にある。バーチャル会議がそもそも困難なものなら、健康と経済への脅威、働きすぎ、社会不安といった問題を内包する現在の環境は、それをさらに困難にする。
しかし、率直さと相互理解を妨げるこのテクノロジーは、これらの損失を相殺する方法も提供している。何百ものバーチャルセッションを指導してきた筆者らは、大半のオンライン会議のプラットフォームが擁する一般的なツールについて、機会とリスクを特定した。